日本国内なんだから労働契約法が適用されそうなものだけど、裁判所は「お前らの業界が気に入らない」らしい。
その当然の帰結として、みんな、転職時に通用するような業績以外は気にしない。
どうでもいいプロジェクトのクライアントは会社から割り当てられた若手や契約社員に任せきりで、契約ぎりぎりの管理しかしない。
もちろん、俺たちにも上司がいるけれど、彼らは俺たちに言うことを聞かせられるような武器を持っていない。
日系企業の弊社では上司の裁量で変わる給料なんてせいぜい30%程度で、転職の機会と比べたらどうでもいい。
「会社としては重要だけど、俺たちが持って歩ける成果にはならないクライアント」はもちろんいるのだけど、
そういうのは会社と運命共同体なお偉いさんと、すぐには転職できない残念なやつらと、新卒のひよこたちが回している。
(へっぽことひよこの寄せ集めで仕事を回してしまう幹部連中は、間違いなくすごい。やはり仕事は指揮官次第だと思う。)
で。
「解雇規制が緩まると、会社が要らない社員を簡単にクビにできる、だから、社員は必死こいて働く」
多くの経営者はそんなイメージだと思うけど、そんなに簡単じゃないよ。
有能社員が言うことを聞かなくなったとき、無能社員を簡単に追い出したりはできない。
現に、雇用の流動的な俺たちの業界では、どこの会社もハイローミックス、そして幹部にはローの寄せ集めで戦う能力が求められている。
また、俺たちのクライアントが俺たちを真面目に働かせるために高い対価を支払っているように、取引先だって会社同士の契約だけでは動かせなくなる。