俺は部屋のほぼ角あたりで壁を向いてパソコン作業をしている。なので角側に顔を横に向ければ他の人の後ろ姿とパソコン画面がよく見える。
それでもあまりまじまじとは見てられないのが聞こえて来る音と合わせて察するにはメールチェックしているようで、次々とメールが削除されていく。
そのなかでちらっと画面に広告が映っていた。メルマガにも広告が添付されているものだろう。
それがこじんまりとたくさんのキャラが描かれているようなイラストで、右下の隅から斜め上に向かって白っぽい髪で少女と思しき顔が描かれているのが印象的だった。ラブライブで小鳥がそのように描かれいるイラストがあった気がするとそれとは違って変顔にはなっていない。
いまいち距離が遠くもないが近くもないのでよく見えず、俺の知ってる作品の広告か分からなくてもやもやしてきていた。
俺は自分のパソコンにはublockを導入していて広告はほぼ100%遮断している。漫画の広告をクリックする度にクッキーが更新され、ページを移るたびに別の漫画の広告が表示されるので、延々と広告をクリックしては作品の詳細を確認するというループにハマってしまうことがあったからだ。
情報過多は時間の浪費につながるし体に毒だということで広告ブロックを導入していたのだ。
そんなわけで広告に触れる機会がなくなっていた。だからメールに映っていたのも実はなんてことなくて有名な作品の遭遇率の高い広告なのかもしれないが俺にはそれが判別できない。
かといって質問すれば画面を見ていたことがバレる。この心のもやもやを時間が解決させてくれるのを待つ(つまり忘れる)ほかなくなってしまった。
というかたとえ質問したとしてもそのメールも一瞬で削除されていたしその人は特にオタクでもないので広告について印象にすら残っていない可能性がある。