2021-09-13

Mちゃんにはとっても大事な宝物がありました。

とっても大事で、大事で、それはMちゃんにとってかけがえのないものでした。

からMちゃんはそれを大事しまって、見るのはたまにだけ。

いつもは他のものにばかり目を移していました。

「あまり大事から、じっと見ていられないの」

Mちゃんはそう言って、その宝物をいつも大事に、大切にしていました。

からその宝物を、ちゃんしまっていたのです。

そうして何年も過ぎていき、Mちゃんも年少から年長、大人へと成長していきました。

それでもMちゃんは変わらず、宝物を大事しまいこんでいました。

宝物と向き合って、ちゃんと見るのはごくまれです。

そうして時間は瞬く間に過ぎていき、Mちゃんも気付けばお母さんの年齢を通り越していました。

ひとりぼっちとなってしまったMちゃんはそのときようやく、しまいこんでいた宝物をとりだしました。

そして宝物と向き合い、じっと見つめていると、ふしぎとぼろぼろと涙が流れてとまりません。

宝物は”人生”という名前でした。

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