一応ネタバレ注意で。
好きな作品で、松本零士の『ワダチ』というのがあるのだが、この主人公(男)は良いやつで頼りになるのだが、とにかく女性に好かれないという特徴があるのだ。
何度も危ないところを助けてあげても、女性達はすぐに別のイケメンを見つけてついて行ってしまい、ワダチはフラレて傷心する、まあ、若くてモテない寅さんみたいな男なのだ。
でまあ、モテない理由は割と簡単で、大山トチロー的なキャラだからである。
低身長・がに股・ブサイク・まともな仕事につかず学歴もなく金に縁がない・風呂が嫌い。安アパート住まい。(ところで、この辺の主人公の特徴は、『男おいどん』『大四畳半大物語』『聖凡人伝』の三作でも共通してるのだが、その三作の主人公はほぼ同じスペックでありながら、女性にまったく縁のない奴と、そこそこ縁のある奴と、一話に一度は××する奴、とハッキリ別れているのが興味深い)
でまあ、ワダチを読んでると、外見ばかりで判断して何度助けてもらっても主人公をふるヒロイン達に腹も立つのだが、よく考えてみると、主人公の方も美人しか相手にしてなかった。アパート管理人のバーさんは流石に年齢の問題で対象外なので、単にブサイクな女性キャラが存在してないから、という問題もあるのだが、主人公が粉かけようとするキャラは明らかに美人揃いなのだ。これではヒロインを責められない。
でまあ、それへの批判として、真にブサイクなヒロインと結ばれる主人公の作品を探してみたのだが、これがまあ見つからない。
ここで言う真のブサイクというのは、「設定上ブサイクで、画で見ても実際にブサイクである」という意味。
というのも、作品内で美人とは言ってないが画で見ると明らかに美人なキャラとか、刃牙の梢のように、作者の画力によってブサイクになってるだけで、設定上は多分美人なのだろうというキャラもいるから。
スター・ウォーズのレイア姫はあえて不美人をキャストした事で有名だが、あれ主人公と結ばれないし。