2021-08-04

オリンピック手のひら返し叩きで生まれ理不尽非対称性

このタイミングオリンピックを開催するべきじゃないと発言していた人が、オリンピックで素晴らしいパフォーマンスを発揮したアスリートたちに賛辞を送ると途端に飛んでくる「手のひら返し」の揶揄

Twitterでは #手のひら返しトレンド入りしていたし、オリンピックを今開催すべきじゃないと言っていた蓮舫議員モーニングショー玉川徹氏、ミヤネ屋宮根誠司氏に対しては個人のみならずWEBメディアさえもが手のひら返し叩きをしていた。

この、オリンピック開催に反対していた人にはオリンピックを楽しんだり、金メダリストにおめでとうという資格がないという根拠はどこから来るのか。

それは、手のひら返し叩きをしている人たちが、オリンピック反対派はどうしてオリンピックを今開催することに反対していたか?という文脈を一切無視していることが原因だろう。

オリンピック賛成派と反対派の利害は一見すると真正から対立しているように見えて、実はお互いの利する部分と害する部分は一致していた。

まりオリンピックの開催によってもたらされる「選手活躍の場を与え、応援し感動する」というメリットと、「コロナ感染拡大リスク」というデメリットは、賛成派・反対派 両者が共に抱えているメリットデメリットであった。(コロナ存在しないか五輪を開催すべきとか、商業主義五輪そもそも開催すべきじゃないとか、そういった意見の人もいるとは思うが今回の趣旨に反するので今ここでは論じない)

オリンピック賛成派は、「選手活躍の場を与え、応援し感動する」というメリットが、「コロナ感染拡大リスク」というデメリットよりも上回ると考える。

オリンピック反対派は、「選手活躍の場を与え、応援し感動する」というメリットより、「コロナ感染拡大リスク」というデメリットが上回ると考える。

ここで重要なのはオリンピック反対派も、オリンピックを開催することによって得られる「選手活躍の場を与え、応援し感動する」というメリット自体否定していない、それどころか肯定している、ということだ。

手のひら返し叩きをする人たちは、この「選手活躍の場を与え、応援し感動する」というメリット否定した人間選手応援するなというロジック手のひら返し叩きをしてくるが、そもそも反対派は「選手活躍の場を与え、応援し感動する」というメリット否定してはいない。肯定している。プラスの要素として捉えている。この部分は賛成派も反対派も変わらない。

じゃあ何が違うのか。それはただ単に、オリンピック開催によってもたらされるプラスの要素とマイナスの要素を比較した場合、どっちが大きいか?という問いに対する考えの違いでしかない。

上記思考過程をきちんと認識しないで手のひら返し叩きをすると、賛成派・反対派にもたらされるメリットデメリット非対称性が生じてくる。

現在オリンピック反対派の意見は聞き入れられず、オリンピックは開催された。そして、アスリートは素晴らしいパフォーマンスを発揮し、一方で五輪関係者から感染者が相次いだ。

選手活躍の場を与え、応援し感動する」というメリットと「コロナ感染拡大リスク」というデメリット、どちらが上回っていると考えるかは人それぞれ違ってくるとは思うが、このプラスの要素とマイナスの要素が日本国民にもたらされた。

ここで考えてほしい。オリンピック賛成派は、「選手活躍の場を与え、応援し感動する」というメリットと「コロナ感染拡大リスク」というデメリット、この2つを受け入れることができている。

対してオリンピック反対派はどうか。もしも、手のひら返しの主張にのっとり、オリンピック反対派は五輪を楽しむ資格がないとしたら。

オリンピック反対派は、「コロナ感染拡大リスク」というデメリットを背負わされているにも関わらず、「選手活躍の場を与え、応援し感動する」というメリットは受け取れない。

オリンピック賛成派は開催によって発生するメリットデメリットどちらも受け入れる事ができるのに対して、オリンピック反対派は開催によって発生するデメリットだけを受け入れメリットは受け取れない、という非対称性が生じているのだ。

オリンピック反対派は、五輪開催前から選手活躍の場を与え、応援し感動する」ことをプラス評価し、「コロナ感染拡大リスク」をマイナス評価した。オリンピック開催前も開催中も思いは一貫して変わっていない。五輪開催前から、「選手活躍の場を与え、応援し感動する」ことをプラス評価していた人間がいま選手応援するのはごく自然なことだし、応援しているからといって、感染が拡大する今このタイミングで開催する事に賛同しているわけではない。何の手も返していない。

本来なら賛成派・反対派 両者がマイナスの要素・プラスの要素どちらも受け取れるはずだが、手のひら返し叩きによって反対派はコストを払っているのにも関わらず、リターンが一切得られなくなる。

この理不尽非対称性税金で考えるともっとわかりやすい。 週刊ポストは、東京五輪都民1人あたりの負担額は「10万3929円」と報じた。

https://news.yahoo.co.jp/articles/e89dbd2770e4a83754c843ad60520b39f95aa1ac

オリンピック税金無駄遣いだからやめたほうがいいと開催に反対する人も数多くいたが、彼らはオリンピックの「選手活躍の場を与え、応援し感動する」というプラスの要素を否定したのではなく、「一人あたり10万円の税負担」というマイナスの要素が大きすぎることに対して不満を表明していただけだ。

しかし、手のひら返し論理を当てはめると、税金無駄遣いという理由オリンピック開催を反対していた人たちも、オリンピックを楽しむ資格はないのだろう。一人10万円という金額負担させられ、その人達お金を利用することで開催が可能になったオリンピックに対して、「金メダルおめでとう」と言ったら手のひら返し批判されるのは、あまり理不尽ではないだろうか。

例えばこれがマンションの積立金の話だったらどうか。今までに入居者全員が毎月支払っていた積立金を使ってエレベーター設置するという話が出た場合、賛成派と反対派に意見が別れ、最終的に賛成派の意見が通ったとしよう。

仮にあなたが反対派だったとして考えてみてほしい。エレベーターは積立金を使用して設置するので、反対派の人たちが払ったお金も費やされている。そうして出来上がったエレベーターに、反対派のあなたが乗り込んだところ、賛成派の人に「設置に反対していたのだからエレベータを使う資格はない!今さら手のひらを返すな!」と言われたら。

反対を選択した人は、エレベーター設置反対の要望をはねのけられ、自分たちが払っていた積立金を使用され、結果できたエレベーター使用することもできない。

そんな理不尽さを、今の手のひら返し叩きには感じる。

  • 「差別反対派のくせに人を差別するな!」と言われる理不尽さに似ていますね

  • 当初の予算内ならいいけど予算オーバーするくらいなら反対ってことやで

  • コロナはただの風邪だから。

  • オリンピック反対派の中には「アスリートは人殺しの顔をしろ」と言っていたヤツもいた。 そんなヤツらが「選手に活躍の場を与え、応援し感動する」だなんて本気で考えていると思う...

  • エレベーターの件に関して言うなら   1.設置費用が高すぎたり利用者が少ないことが予想されるので反対 2.エレベーターは危険なのでそんなものを設置することに反対   のどちら...

    • そもそもそういうのは学生時代にジョックにイジメられた恨みを30歳になっても40歳になっても50歳になってもSNSで再演しまくってるような異常弱者なんだよな

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