2021-08-04

貴重な出会い

ある古本を見つけた。

その本は、当時大学生だった人が書いたもので、随筆のようなものだった。

日々、感じていることや考えていること、日常ちょっとしたできごとなどが、そこには書かれている。

発行年を見ると、50年前くらいに発行されたらしい。

不思議気持ちになる。

当時大学生、つまり20いくらいの人が書いたものが、50年後の自分にまで届いているのだ。

今、これを書いた人は70くらいだろう。

しかしたら、亡くなっているかもしれない。

この本は見たところ、初版しかった。

から軽く調べたが、重版された様子もない。

日焼けし、茶色になっている。

しばらく、その本を読んだ。

当時の大学生が、どんな生活を送っていたのか。

何を考え、何を感じたのか。

50年後の時代にいる自分に伝わってくる。

当時の等身大大学生というものが伝わってくる。

その本には、この本が重版されないであろうということも予測されていた。

理由としては、自分が著名な人ではないことが上げられている。

著名な人の本であれば、今後も重版されたりする。

しかし、自分時代に名を残すような人物ではないから、重版されることはないだろうというものだった。

実際、他にも本を出版してはいるが数は多くなく、重版された様子も自分確認する限りは見つからなかった。

感傷的な気分になる。

著名な人物については、様々な資料や本があったりする。

それらのものから、人柄を知ることができ、その人がどのようなことをした人なのか知ることができる。

しか一般のような個人的人物については、有名な人と比べ、調べようと思っても、なかなか調べられないように思う。

知ろうと思っても知ることが難しいのである

そのことを考えると、この本と出会えたのは貴重なものだったのかもしれない。

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