以前はそんなことなかったように思う。
でも、最近まったく案件がさばけなくなった。だんだん書類が積もってくる。事態はどんどん深刻になる。あれをやっている間にこれの動きが止まりこれを動かせばそれが後退する。
そうかと思えば同僚は何でもホイホイ終わらせてさっさと帰ってしまう。
なんやねんこれ…
どないなっとんねん…
すべてが進まなくなって、いよいよ火が全体に回り始めた。
見かねた上司はついに「もういい!全部こっちに渡せ!」と言いだした。
でも、このまま渡してしまうと、また評判が下がる気がした。
勤務評定も含まれるが、それよりも人が人との間で交わす噂話。漏れ伝わる小咄。そいつ絡みの体験談。組織内での境遇を決めるのは「印象」なのである。
これは死刑宣告な気がしてしまって、『あとでお渡しに上がります』とかなんとか言ってその場を逃れた。
逃げてもなんにもならないのに。
もう火だるまだ。
かかえこんでるそれは、そんなにまでしなきゃいけないものなのかい?