どれくらい炎上するかなって見てたけど、みんな三日程度で忘れてる。いじめというには甘すぎるほどの残虐な犯罪だったのに、結局はこんな風に風化されて何も変わらない。
昔、仕事の関係で、田舎に移り住んだとき倫理観の大きな違いに絶句した。
この事件、いじめの加害者や担当教師を罰すればいいとみんな思っているけど、はた目から見ててそもそもそれが間違いだと思う。
本質は「日本の全体主義」と「倫理観の欠如」、この事件で大衆が私刑をともなっていじめ加害者を罰したところで被害者周りの住民たちはこう考える。
炎上で加害者や教師が罰を受けたとしても近隣住民は「加害者が犯罪を起こしたから罰を受けた」のではなく、「集落で騒ぎを起こして注目を集めみんなに迷惑をかけたから罰を受けたんだ」と考える。
北海道の旭川もそうだけど、田舎ってのは根本的に倫理観が崩壊してる。とくにセックス関係はひどい。
性犯罪は絶対ダメだろ、と普通ならドン引きするけど、その地域で生きている人たちはそこまで思ってない。
ゴミ出しのルールや掃除当番にはうるさいくせに、性犯罪には軽い。外から田舎に住むとそういう価値観のズレが生じて、少しずつ大きくなっていく。
「女子のうなじが男子の欲情をそそるからポニーテール禁止」なんてヘンテコな理由の校則が話題になった。
住んでいたその田舎でも、そういうヤバイ校則が当たり前になってるのは聞いていた。
正直、そういう校則に基づいて小さいころから教育が行われているから女も男も「性犯罪にあうのは女性が男性の欲情を煽ったから」と思っているんじゃないかと思った。
例えばどの地域にも手に負えない不良や、横暴な権力者はいるもんだけど、みんなが平和にくらすために1人が犠牲になることは仕方がないと考える節がある。
だから学校の一人の非力な女子がいじめられて、レイプされたとしても他のみんなが平和に暮らせるなら仕方がないことだと考える。
加害者側が秀才だったら、その地域で数少ない東大合格者が出たりするかもしれない。そのためなら多少の被害なんてどうでもいいと考える。
自分は外部の人間で、その地域の数少ない合格者なんてどうでもいい、犯罪は犯罪で嫌悪しかない。そういう考え方のズレが合わなくてどうしても仲良くできなかった。
警察は家族間や色恋沙汰に関しては非協力的で内輪もめとして事件化しないし、少年犯罪に対する取り調べも罰則も甘い。
むしろ警察だの弁護士だの騒ぎ立てると厄介者扱いされるだろう。最初に言った「あいつらは、騒動を起こした迷惑者」が被害者側に適用される。
それでいて田舎の狭い世界ではほとんどが顔見知りで誰がレイプされたなんてすぐわかるから、何年たっても「あの娘は汚れた女だ」「股が緩い」と言われ続ける。
「被害者にも原因がある」と思うことで誰一人罪悪感を抱くことなく、被害を受けた本人以外は誰一人傷つかない。そういう仕組み。
でもそう中傷している本人たちも一種の加害者だから、いじめの加害者を責めることもできない。結果的にいじめの事実が表に出た時、加害者を「騒ぎを起こした厄介者」として扱う。
タチが悪いのは、旭川の事件のように週刊文春が取り上げない限り、ほとんど外部に露呈することがない。そもそも被害者の数は相対的に少数になるし、立ち上がれないほどボロボロにしてしまう。
その土地で生まれた人が、他県や東京にでるというのも難しいだろう。その土地しか知らない彼らにとっては、外の世界に出るということはとても恐ろしく勇気のいることだから。
親からして倫理観がないから血気盛んな若者が娯楽を求めるとテレビゲームで満足できるほどストイックになることもできない。
田舎って、ほんと馬鹿の再生産しかしないからダメだよなぁ。 九州とか、クソの極みだった。