2021-06-17

京アニあいつと私

はじめてやけど、ちょっと思い返した雑感をまずは......。

先日、23歳にしてはじめて小説一本書き上げた。

んで、公募新人賞に出した。

とにかく書き上げることで精いっぱいで、完成させるのが目的みたいなもんだった。

出してから二か月ほどたって、書いたもの距離をおけるようになった。数人の友人にも送ったけど、みんな途中で読むのやめちゃったみたい。みんなが最後まで読み通せるものを書けなかったのは悔しいね

まあ、下読みの段階で落とされてるんだろうな。

ま、そんなんは今となってはどうでもいいわ。

実際に小説書いて形だけでも完成させてみて、得たものもいっぱいあってさ、

まず当たり前けど小説を書くむずかしさってのは身に染みてわかった。想像してたのとは違った。それに敷衍して、小説以外にも、曲とか絵とか完成させてどんな形であれ世に出してる人へのリスペクトめっちゃ深まった。

どんなものであれ、とにかく作品ひとつ完成させるのにはすごい労力かかってて、それ自体がすごく尊いことだなって思えるようになった。

そんなこと考えてた時に、twitterとある下読みの方が投稿されてきた小説に対してながながとツリーぶらさげてアドバイス(というか苦言)書いてるのを目にした。いっぱいRTされててトレンドになってた。

その内容自体は教本に書いてあるようなことで正論。下読みしてきてあったらしい悪例挙げて、「そんな書き方だとプロにはなれないよ」って批評してる感じ。まあ、その通りだと思った。

けど、なんか違うんじゃないかなって思った。なんか下読みっていう立場を利用してマウントとられてるような気がして、やな感じだった。

少なくとも、素人ながらも時間かけてなんとか作品を完成させた人へのリスペクトはみじんも感じられなかった。いや、そんなリスペクトしてくれってわけではないんやけどさ。

でも、下読みの人にマウント取られるような世界ものは書きたくないなって思った。

小説公募新人賞投稿作品ほとんどは箸にも棒にも掛からないような駄作、またはそれ以前の問題なんだろう。

けれど、そのごみ小説ひとつ書き上げることへの労力はかなりのものであることは確か。でも出来たものごみ。けれど時間かかってるから、書いた当人には思い入れがある。気に入ってるところとかもある。このアイデアは独創的なんじゃないかって思って書いた場所もある。

ふと、京アニあいつのことを考える。あいつも京アニ公募時間かけてひいひい言いながら書いた作品送ったのかな。これはいける。このアイデアはいけるって思いながら書き上げたんかな。

そんで、公募投稿者の例に漏れず、賞とらねえかなとか期待しながら発表を待ったのかな。そして、選外。そんときは落胆したのかな。

どんな精神状態で待ってたんだろう。落選したあとは何考えてたのかな。不安だったかもしれない。

実際に小説を出してみて、あいつの気持ちが少しわかった気がする。

自分の書いたものが、どんな風に読まれて、どんな風に落とされたのかもわからない公募新人賞システムは、合理的だけどやっぱり多くの人にとっては不親切だ。そんで、今なんてTwitterで下読みにマウント取られさえする。別にそのシステムが悪いとかいいたいわけじゃない。才能を持った人はそのなかで当然のように選ばれるんだから、このシステムは正しいんだと思う。

ただ、もし自分精神的に不調で被害妄想気味になってて、自分作品に対して距離をとれずに、落とされた意味理解できずにいたとしたら、

そのあとに、自分が書いたものと似たような作品自分の送った公募運営会社から出たら、彼のようにならないとはいえないなあ。

私はこれから小説を書こうと思うけど、10年後、20年後自分がどうなっているかはわからない。

人知れず消えていく、多大な労力を掛けられた渾身の駄作たちは、それ自体意味を持っていると思う。

それらが救われる場所が、それを書いた人が救われる場所あったらいいなって、素朴に思う。

書き終えたら無駄にながいな...短く書くようにこころがけよう

  • 資本主義とは相容れない。慈善事業として誰かがやるのを待て。

    • 読んでくれてありがとう。 その通りだね。 書くことが資本主義のロジックに取り込まれてる現在の状況では仕方のないことなんだろうな。 誰かやらないかなあ、慈善事業。

      • 社会が余裕や寛容を持つようになれば、自然とそういう場はできそうな気がする。 そういう社会が来ることは予想しづらいけど。

        • 誰かが始めたとしても、それを受け入れる器量が今の社会にはないだろうからね。 でも、そういう場所欲してる人いっぱいいると思うんよなあ。みんなが読者であると同時に著者になっ...

          • 大昔のコミケ(即売会)がそれに近かったかもしれない。 存在を知っている人たちだけがこじんまりと(それでも結構な人数だが)集まってやってた時期。 でも残念ながら今は(今後も...

            • なるほどコミケか!たしかにな。 しかしロールモデルがあるだけまだましだ

  • 宝くじは当選しなくてもそこに自分の努力は介在していないと思っているから自分を否定されたと感じない 世の中の多くの成功は宝くじに当たったのと変わらない偶然性がもたらすもの ...

    • コメントさんきゅ。 サンデルの本でもあったよね。 いうて成功って、そこまで尊いものじゃないよねえ。

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