2021-05-10

彼女ワクチンをうってかわってしまった

彼女医療従事者、俺はイベント設営の仕事

コロナ禍で見事に両極端の立ち位置になった二人だ。

付き合って3年、同棲して1年になるのでそろそろ結婚しようとプロポーズの準備をしているときコロナが来た。

俺の仕事が全て吹き飛び、彼女多忙になったことで結婚の話はあまりしなくなった。

それでもお互いに希望を持って生活してこれていた。コロナが収まったら結婚しよう、という意思疎通があったから。

俺の仕事はなくなったけど、二人いっぺんに吹き飛ばなくてよかったね、という話をしていた。

去年は上手く行っていた。

専業主夫の俺と、外で戦う彼女。俺は設営系でいろいろ作るのは得意だったので、マスク作ったりDIYしたりしてた。

設営系の仕事なんて全くないし、このご時世に新たに人を雇おうとする会社もない。

俺があれこれ歩き回ってコロナを持ち帰るのもよくないだろうと、とにかく裏方に徹していた。

しかし、その関係はどうやら続かなかった。

やはり、彼女としても面白くはなかったのだろう。

あれこれ理由を付けていても、結局俺は無職の男なのだ。「自分が大変なのにこいつは何もやってない」とも思ったろう。

今年に入り、オリンピック有償ボランティア募集などの話があると「応募すれば?」と言ってくるようになった。

あぁ、これは、俺の存在ストレスになってるんだな、と思った。

ごく小さな仕事は入ってくるようになってはいたのだが、以前とは程遠い。

それに現場でも、知り合いにコロナが出た、などの話をしばしば聞くようになっていた。正直怖かった。

大規模な仕事は怖かった。

そうこうするうちに、彼女ワクチンを打てることになった。

良かった、と思った。

これで俺も仕事に出られる、そう安堵したとき、なんとオリンピック仕事が入ってきた。

オリンピックにはもううんざりしていたので、かなり複雑な気持ちだったのだが、金は非常に魅力的だった。大金だった。

あぁ、こうしてオリンピックはやめられなくなるのだなと思いながら、仕事は請けた。

彼女を苦しめているのはオリンピック周辺のゴタゴタなので、彼女にどう伝えようか迷った。

去年だったら、「国から金を少しでも取り返してくる」みたいな感じで勢いよく言えたのだが、最近彼女の俺への当たりは非常にキツい。

ワクチンの驕りというわけでもないだろうが、何かが変わってしまったのだろう。

俺への不満、仕事への不安政府への不信、いろいろあって、表出したのだろう。

彼女仕事を受けたと伝えると、「まぁ、感染しないように頑張って。ウチ(病院)もう限界から」とだけ言われた。

仕方のないことか。

ワクチンを一緒に受けられたら、また違ったのかもしれないが。

去年のうちに何でもいいから働きに出るべきだったのか。

人生で最も気が乗らない仕事になりそうだ。

部屋も探して、引っ越さねばならなくなるだろう。

もう疲れた

金が必要だ。

すまんな。

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