https://nuc.hatenadiary.org/entry/2021/03/31
を読んで、ブコメ群を見ると病的だとか、「悪い意味で」頭を殴られたような感情になってしまう人が一定数いそう(私含め)と感じたので、エンジニア向けのみならず、もっと一般向けに上の話を例えてみる。なお、上の記事を批判してるわけでも称賛しているわけでもないのであしからず。
これは、モテる男性から、「自然に女の子と話せば彼女できるよね」というモテアドバイスを貰ったときの気持ちにとても似ている。
モテる人の立場からすると、普通の、だが実体験に即したアドバイスに聞こえるだろう。一方で、真剣に女子にモテたいと切望する諸君の立場からすると、これは3つの点で期待はずれな回答だと思う。
1: 自然にやっててダメなので、再現性のあるメソッドが聞きたかった。
2: 自然にやっててもやっぱりダメな自分という劣等感、コンプレックスが増長される。(そういう感情を抱かなければこの後の文章はスルーで良いよ)
「自然に振る舞っていてもモテなければ」意識して異性から好かれるように日々努力を重ね、可能性を高めるしかない。ということである人はサークルに入り、ある人は清潔感を保ったり、ある人は結婚相談所に駆け込んで第三者からのアドバイスを貰う。こうした自発的な行動によって場数を踏んでいくことで次第に良い感触を掴んでいく。
上の記事にもどると、なんとかgoogle(や他の外資系の待遇の良い企業群)に入りたいという気持ちから、おおよそ普通~ある程度経験の積んだエンジニアはleetcodeなどをやって競技プログラミングのスキルを身に着けたり、コンピュータサイエンスに近い分野の本を自分なりに理解するように努めたりする。(競技プログラミングの善悪の話をしているのではなく、そういう手段で面接に通過する確率を上げるというだけの事実の話をしてる)
しかしながら、「自然とコンピュータサイエンスに向き合っていれば、面接は友達とお茶をする程度で済む」と言われても、いやいやそれはモテる側の立場の強者の理論でしょとなる。
必要な能力は「椅子に座れること」「四則演算ができること」「本が読めること」というのは、モテる人の比喩に例えれば、「椅子に座れること」「会話ができること」「スマホを持っていること」となろうか。
強者にとってまっとうな実体験に即したアドバイスでも、弱者にとって見れば残念ながらコンプレックスをえぐる言葉でしかない。万人にとって良いアドバイスというものは存在しない、といえば聞こえは良いだろうが。
ということで、上のgoogleの面接対策の記事は、意識して努力するよりも自分の得意な(友達とお茶をする程度で自然とできる)分野で勝負すべき、という身も蓋もないという小噺だと思ったほうが良いです。面接対策でleetcodeなどをやって苦労してるんだけど、という感想を抱いたり、ソフトウェアエンジニアでのステップアップに限界を感じていれば、それは「友達とお茶をする程度」の感覚の人には勝てないので、得意なこととの掛け算で勝負するのが現実的な勝ち筋にみえます。