2021-03-31

大阪府感染者急増について

大阪府感染者が急増している。本日感染者数は599人で、全国の都道府県で最多となった。今後も増加することが予想されている。

はてなブックマークユーザー維新の会に対して批判的な傾向があるので、ここぞとばかりに吉村大阪府知事批判する人が多いが、この件に関してはそれほど正しいとは思わない。吉村知事がこのコロナ禍において満点の判断をしているとは思わないが、特に感染の広がりという観点においては、各都道府県社会地理的事情依存するところが大きく、現行法においては知事権限では手の打ちようのない範囲も多分にある。そのため、現在感染拡大の責任知事にひとえに求めるのは無理があると考えている(以上は、大阪府だけでなく、あらゆる都道府県に対して言えることで、どの知事に対しても感染拡大の責任を強く求めるのは難しいと考えている)。

緊急事態宣言後(3月)の規制内容について

緊急事態宣言後の3月中は、大阪市内飲食店等に対して時短要請が出されていた。同様の規制は第3波で感染者が300~400人/日台程度であった12月中にも行われ、このとき12月下旬まで横ばい~微減の傾向に持ち込むことができた。もしかすると、このラインを狙って、3月中の規制範囲が設定されたのかもしれない。

しかし、第3波では1月上旬感染者が急増し、緊急事態宣言の発令へとつながっていく。一説には忘年会の影響があったとも言われているが、根拠が定かではない。しかし、3月送別会シーズンであったので、この規制では足りなかったという推測も十分に可能だろう。

人々が自粛をしなくなった

それでは規制もっと強くしておけばよかったかと言うと、そうも言えない。なぜならば、現行法規制が人々の自粛に頼る一方で、人々が自粛をしなくなり、規制が骨抜きになりつつあるからだ。

これまで、緊急事態宣言が出るか否かとは別に感染者数が増えたら繁華街への人出が減る傾向があった。

しかし、この3月はそうならなくなった。携帯電話位置情報に基づく大阪梅田の人出を見ると、この1年で最多の人出となっており、感染者が急増している現在においても人出の減る傾向が見られない。これは、感染拡大に応じて自粛を人々がしなくなったことを意味している。

大阪府資料では年齢別の人出データも発表されており、若年層の人出が特に増えていることが指摘されている。これは、今回の「第4波」において感染者でも若年層の構成比が比較的高いことと噛み合う。

新型コロナウイルスの死亡率は年齢に強く依存している。感染したときリスクと、貴重な青春時代が長期に渡って規制される、これらを天秤にかけたとき若者が前者に傾くのは想像にかたくない。「高齢者に広がったら…」というような正論を説いてももはや実効性はなく、本当に対処したいのであれば、若年層に対するベネフィットか、規制に対する法的権限を強くする劇薬のいずれかを用意しなければならず、これは国政の役目だろう。

大阪府だけの問題ではない

大阪府で先に問題顕在化しているが、これは大阪府だけの問題ではない。人々が自粛しなくなったことは、全国的に見られつつある現象である宮城県沖縄県で急増しているのは周知の通りだし、首都圏中京圏においても感染拡大のきざしが見えてきているので、いずれ同じ問題に直面してもおかしくない。大阪府の状況は他県にとって他山の石ではない。

補足

「人々の自粛」にフォーカスを置きたかったので今回は敢えて記載しなかったが、今回の感染拡大に関して「変異株」は避けて通れない問題だと考えている。

また、検査数の件や、まん延防止等重点措置効果についても省略した。

参考

https://www3.nhk.or.jp/news/special/coronavirus/outflow-data/

http://www.pref.osaka.lg.jp/kikaku_keikaku/sarscov2/

  • 感染が拡大したのは、シン・エヴァンゲリオンが公開されたからだろう。 あの映画のせいで、観客が映画館に殺到し、密な環境を作ってしまった。 確かに映画館は25分で館内のすべての...

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