2021-03-28

とあることばについてのたとえ話

あなた言語多様性についての研究をしている、権威ある学術団体所属しています

この度あなたは、消滅危機に瀕しているというある少数言語研究・記録チームの一員に選ばれました。

すなわち、アフリカのどっかのあたりにあるベラルリ島に住むリコネポ族のリコレポ語についての研究に携わることになったのです。

ところで、リコレポ語では黒っぽい色彩のことを「バジャネエサ」と呼びます。これはリコレポ語で「人の肌の色」という意味言葉です。

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ここで、研究チームの一人がこんなことを言い出しました。

「肌の色は黒とは限らないのに、黒を肌の色と呼ぶのは不適切ではないか前近代的で、野蛮な習慣だ。記録から削除し、リコレポ語をより正しく進歩的言葉にしてあげよう」と。

別の一人が言いました。「記録から削除するのはやりすぎだ。だが、今後リコネポ人にはこの差別的単語を使わせないことにしよう。愚昧で愚かで醜悪なリコネポ人を政治的に正しく我々が導いてあげよう」

もう一人が言いました。「野蛮だ愚かだと言わせておけば、傲慢な連中め。この言葉は彼らの文化尊重され、大切に記録されるべきもの、そして今後も使われ続けるべきものだ」

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さて、あなたは誰に賛同したものでしょうか。それとも第四の意見があるでしょうか。

  • こいつら、記録係なのにでしゃばり過ぎだろう……。 こんなのに研究者が務まるのか?というのが正直な感想

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