2021-03-08

anond:20210308185746

Qから10年後、シンジ週刊誌で働く記者になっていた。芸能人ゴシップばかりを追う日々に疑問を感じており、地道に事件取材を重ねても、「ネタにならない」と上司ボツを食らい続ける日々が続く。

そんなある日、取材の一環で東京拘置所収監中の死刑囚となっていたトウジに会いに行くシンジ。久しぶりに会う旧友に対し、トウジは面会室のアクリル板越しに、誰にも話していない3つの余罪について告白すると言われる。

上告中の身であるトウジがなぜそんな不利になるようなマネをするのか理解できなかったシンジ。その疑念に対し、「どうしても許せない奴がシャバにいる」「そいつシャバでのうのうとしていることが許せない、そいつを追いつめて裁きたい」とトウジは言う。

シンジはトウジとの面会記録をまとめ、上司に見せるが、「死刑囚が余罪を告白するなんて、犯罪小説のようでできすぎている」と言われ、本格的に取材に入る許可下りない。しかたなくトウジの依頼を断りに行くシンジだったが、反対にトウジの熱意に説得され、個人で調べ始めることになってしまう。

次第に取材にのめりこんでいくシンジ。無精ひげを生やしながら事件を追い続ける様子は次第に鬼気迫るものを帯び始める。

調査の結果判明したのは、トウジの犯罪の裏にはすべての犯罪の絵を描いていた黒幕存在すること、その人物保険金殺人死体遺棄等、一連の犯罪行為を指揮したうえですべての罪をトウジになすりつけ、自身はのうのうと逃げおおせている、という事実だった。その人物は、「先生」と呼ばれていたという。

事件裏付けを取ったシンジはひげ面のまま出社し、上司取材の成果を突きつける。上司はそれを誌面に載せることを許可し、記事社会的に大きな反響を呼んだ。

やがて警察も本格的に再捜査に乗り出し、ついに「先生」が検挙されることになる。裁判の結果、判決無期懲役となったが、立件できたのは保険金殺人のみだった。

落胆を隠せないシンジさらなる衝撃が襲う。審議には収監中のトウジも証人として喚問され、その過程で、トウジが自らの死刑執行先延ばしするために「先生」を巻き添えにしたこと、その走狗としてシンジを利用したという事実が判明したのだ。

…「先生」を検挙するために常軌を逸した執拗取材に身を投じたシンジ物語最後、面会室でシンジと会った「先生」は、アクリル板越しにこう言った。「ひとつ教えてやる。私を殺したいと一番思っているのは、被害者の遺族でもトウジでもない」。そして、こつ、こつとシンジに向けた人差し指アクリル板を叩くのだった…。

「シン・エヴァンゲリオン劇場版:||」完

記事への反応(ブックマークコメント)

ログイン ユーザー登録
ようこそ ゲスト さん