大学時代に意気投合した彼氏と3年の交際を経て結婚、今年で2年目になる。
なんだかんだと延期になりつつ来月結婚式を迎えるので記念に自分のことを書き出してみる。
私は典型的な機能不全家族に生まれ、家では適当に殴られていれば良かったものの、外での振る舞い方が全く分からなかった。
小中のころは道でウンコをしたり机の天板で彫刻作品を制作したり消しゴムを食べたりなどの奇行が目立ち、バチボコにいじめられていた。
が、ガサツでメンタルが強く、とにかく勉強が出来たため県内トップの公立高校に進学することとなった。
こうして擬似アスペモンスター状態で高校に入学したわけだが、場所は県内トップ校だ。真面目で育ちの悪くない学生に囲まれ、ここで初めて「人間として話しかけられる」経験をする。
恋愛や青春ごっこに手を出しては失敗し、たまに上手くいき、親友や恋人が出来ては絶縁した。
成績はみるみる落ちていった。
常にお金がなかったためバイト先を転々とした。JKカフェを喧嘩で退店した直後にその店が摘発されたこともあったし、レンタル彼女も円光もとりあえずやってみた。
そうこうして卒業を迎えるのだが父が女の大学進学を認めるはずもなく、高校に就業する学生は1人もいなかったため、まず金銭的に自立すべきと考えて浪人という名目でキャバクラ勤務で生計を立てることにした。
これも本当に面白かった。面と向かって酔ったおっさんにブス!ガキ!乳首見せろ!と詰られる日々だがそこは鋼のメンタルで乗り越えた。
客の心をつかめばめちゃくちゃ嬉しそうにはしゃいでくれ、売り上げも伴う。他人に対して情のようなものを感じたのは初めてだった。自分の心は金で動くと知った。
酒での失敗は本当に多かった。記憶を飛ばして先輩嬢の客にキスしたり、アフター先で眠って客に店まで届けてもらったり、気に入った客をホテルに誘ったはいいがチンコが臭すぎると爆笑して何もせずそのまま帰ったこともあるらしい。
その後人に迷惑をかけ貯めたお金で入った大学を即中退し今の夫と付き合い始め、キャバ勤務を再開、遊び回っていたところ、ひょんな縁から今の会社に就職することとなった。
大学時代の教授が知り合いの社長に私を紹介してくださったのだ。「誰か勢いのある奴はいないか」と聞かれて私が思い浮かんだらしい。
上司のセクハラに困った時期もあったが、毎度舌打ちしていたら直った。
残業は多いが仕事内容は全く難しくなく、家事は帰宅の早い夫がほとんど済ませてくれるためストレスがない。
年収は私550・夫400と24にしては文句のない程度でのびのび過ごしている。
ときどき、どうやってこの快適な生活を手に入れたのだろうかと不思議に思うことがある。
大きな決断は自分で下してきたというのもあるが、なにより巡り合わせとタイミングだと思う。
小中で友達がいなかったからこそ大量の読書が出来たし、高校とキャバクラの経験が無ければ一般企業で働けるほどの人間性は間に合わなかったし、就職のタイミングが少し違えば結婚することもなかっただろう。
間違いなく今の私には余裕があるので、このタイミングで感謝の気持ちを改めようと思う。迷惑をかけた方々に対しての自省の念を添えつつ。