母は癌で60過ぎで亡くなった。
借金癖のある母方の祖母や兄弟を厭って、縁を切っていた。具体的にどう対応したのかはわからないが、子供の私は連絡先もわからないし、生きているかどうかもわからない。
父方の親戚とは付き合いがあったが、祖母とは、うまくは行っていなかった。
何をしても、たとえば従兄弟よりもランクの高い高校へ進学しても、祖母が褒めるのは実の娘の子供である従兄弟だった。
最近だと、お世話になっていた義兄が急逝したことを教えてもらえなかったことにも落ち込んでいた。
しかし、年始やお盆の折には挨拶に行ったし、近くに住んでいることもあり、定期的に顔を見に行っていた。
ある日、姉のいないところで、祖母は母に言ったそうだ。
「もう、姉の子供を連れてくるな」と。
そう言われたそうで、母はそんなつもりはなかったのにと深く傷ついた。
病室で、その話を私は母から聞いた。
傷つくだろうから、姉には伝えないで欲しい、と言われた。
その後、母は急に病状が悪くなり、逝ってしまった。
私だけ遠方に暮らしているのだが、父や姉は、帰省した折には、祖母の様子を伺いに行こうという。祖母も挨拶に来ないのか?と言う。
でも、かつてのように祖母と付き合える気がしない、悔しそうな母の顔が思い浮かぶ。抵抗がある。
でも、その理由を姉にも父にも言えない。
増田が会いに行っても母と同じうんちポジションに置かれるだけやで