2020-11-24

推し出会って人生変わった

2年前の冬、私は死にたかった。

別に大した理由じゃない。大学での人間関係やそこでの自分存在価値絶望し、ただただ死にたい漠然と思いながら酒を飲んでいた時期だった。そんな時、高校の時から好きだったバンドライブを行うと知った。好きになった時には活休していたからそれまで1度もライブに行ったことがなかったけれど、活動再開したしもう大学生だから自分お金で好きなところへ行ける、せっかくなら行ってみるかとチケットを取り会場へ行った。

ライブはすごく楽しかった。音源しか聴けなかった大好きな曲が生で聴ける。身体の奥底まで響く音、ファンの歓声、ぎゅうぎゅうの会場。コロナ禍の今じゃ考えられない光景だ。そしてステージの上で輝くギターメンバー一目惚れした。なんて楽しそうに演奏するんだろう、MC一生懸命話すんだろう。この人をもっと見たい。本気でそう思った。

そこから頻繁にライブに行くようになった。とは言え私は学生だし夢のためにお金も貯めなきゃだから全通はできない。学校お金の都合で行ける時に行ける場所に行く。でもそれだけでも毎日が楽しくなった。相変わらず学校はしんどかったけれど推しに会えるんだからと思ったら全然辛くなかった。死にたいと思うより推しに会いたいことを考える方がよっぽど有意義幸せだなと思うようになった。

ダイエットも始めた。CDの特典会で好きなメンバー写真が撮れるという企画があって、もちろん推しと撮った。今はコロナ禍で、写真を撮る時はシールドカーテンみたいなのを挟んで撮影だけど、コロナ禍以前はそういったものがなく2人で並んで撮影できた。その時に推しの肩が私の肩に一瞬触れた。そのあまりの薄さに驚いたと同時に自分の分厚い肩にショックを受けたことを今でも覚えている。その時の私はまあまあどすこいな感じで、痩せているファンが多い中、正直チケット代2人分くらい払った方がいいんじゃないかと思うくらいには幅を取っていたように思う。このままじゃまずい、並んだ時に恥ずかしくないようになりたいと感じ痩せることを決意した。

コロナでしばらくライブも中止になり、その間に10キロ体重を落とし、化粧も変えた。どうせブスには似合わないと諦めていた可愛い服も着るようになった。そうしたら周りから見た目を褒められるようになった。お世辞かもしれないけれど、そんな風に褒められたことがなかったから嬉しかった。バイト先の男の人にご飯に行こうと誘われるようになったし、駅で声をかけられることも何度かあった。これも今までなかったことだ。まあナンパなんて良いもんじゃないことは分かっている。けれどそういった今までなかったことが突然やってくることで、多少の自信に繋がったと思う。

推し出会たことで毎日が楽しくなったし少しは自分に自信が持てた。もうじき久しぶりにライブに行く。自信を持って推しに会いに行きたい。

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