※序盤~中盤前までくらいのネタバレあり
オタクのこういう話はnoteの方がそれっぽいと思うんだけど、
IPアドレス流出騒動があった直後なので少し怖い。まあ大丈夫だと思うけど。
タイトル通り、6/20から初めたド新規なので気になる人は読まない方が良い。
まず面白いってどういう意味?というところから始めて、当て嵌まりそうなものを選んだ。goo辞書から。
①興味をそそられて、心が引かれるさま。興味深い。
②心が晴れ晴れするさま。快く楽しい。
③風流だ。趣が深い。
順番に書いていく。
①興味をそそられて、心が引かれるさま。興味深い。
タイトルから分かる通りヒーロー物。オタク教育幼稚園で触れるであろうメジャージャンル。とても入りやすい。
そこからどう作品の個性を出すの?という興味が湧くので、まず心引かれると思う。
個性を知る前=序盤に、コミカルなやり取りや結構重い変身の代償など、
起承 一章〜三章
転結 四章・五章 となる。
この各章の終わり方も良く、「成る程な、よし次どうなる?」と思わせる
作りになってる。アニメCパートみたいな意味深な台詞が並ぶ。否が応でもワクワクしてしまう。
三章以降は佳境なのもあり、特に顕著。
(佳境は「物語の面白い場面」らしいから、全編通して面白いワヒロに使うのもアレ)
②心が晴れ晴れするさま。快く楽しい。
本編のコミカルなシーンだったり、奇策を駆使して有利な状況へ運ぶバトルシーンだったり。
お話読んで吹き出す、というのは、実は結構少ない気がしている。私の話。
けど、イベストがどれも面白くて、外れがない。これは本当に凄い。なんで出来るんだ?
説明が難しいんだけど、「(よく設定を知っている)××さんがこう動くから面白い」ではなくて(そういう要素もある)、
「言動や会話のやり取りがクスッとする」形なのが凄い。
キャラのことを知らなくても笑える。単純にギャグセンスが高い。尊敬
あと、キャラがとても生々しい。フィクションにおけるリアルの最高峰かもしれない。生きている感じがする。
そういうキャラを心から応援したくなって、「心が晴れ晴れする」。
命を掛けて敵と戦う、自分の意思を貫こうとする姿勢が、幼さを残しながらもとても立派で、ずっと応援したくなる…。
上手く言えないが、頑張りすぎてると「無理するな…!」って心臓痛くなってしまうし、
努力描写って加減が難しいと思うんだけど、ワヒロのキャラはそこが絶妙と言うか、
高校生〜しつつ、ヒーローをやる時は自分の信じたもののために戦っている、その姿が堪らなく応援したくなる。
③風流だ。趣が深い。
①と被ってしまうんだけど、
ボーイ・ミーツ・ボーイな物語の始まりは物凄く分かりやすく、取っ付きやすい。
王道大好きオタクはワクワク感と共にスムーズに入り込めて助かった。
出会った二人の少年は「自分は何も無いという意識がある」という
オタクは、今後に何か響くであろう誓いのシーンが大好き…
また、この「何も無い意識」は二人ともそう感じるようになった理由が説明されていて、
その理由として描かれたエピソードは正直しんどいが、オタクそういうの好き。
あとオタク好きやろ系の、「ヒーローはただ敵と戦えば良いだけでなく、
周囲の色々な意思が介入しており、割とキナ臭いところがある世界観」というのは
序盤から細やかに説明がされているので、何かあるやろ!!!と予想出来ていたが、
実際にお出しされるとテンション上がるものがある。良いお約束だよね
戦闘描写が良い。戦術がきちんとある。勝てば官軍、搦め手上等。
「悪知恵の働く奴!」的な台詞はあるけど、正々堂々と戦えって本気で言う奴は…確か居なかったはず…。
とにかく、彼らにとって戦闘はフィクションではないというのがよく伝わって良い。
上述した通り、序盤から「不穏要素がそこかしこに!!」ってなると描写が多い。
ヒーローは変身した状態では心を強く保たないと世界に取り込まれて死ぬとか言うし、
ヒーロー周りキナ臭いし、主人公は自分が死んでもいいとか言うし…
でも、オタクに優しい世界だと思う。プロデューサーさんが意識してくれた通り。
ワヒロは「物語が締められるか分からないワクワク感・怖さ」はほぼ無い。良い意味で。
で、なんでハッピーエンドを信じられるかって、これでもかって程教えてくれるのである。
公式サイトイントロダクションとか、アプリ説明文とか、下記のような文章がある。
「共に笑い、涙し、成長をする日々の先に、守るべき世界の、ハッピーエンドがあると信じて。」
更に、それだけじゃ足りねえだろと言わんばかりに、
本編内でも「この物語はハッピーエンドになるんだ」と強く実感させてくれる仕組みになっている。
いくらハピエンですよ安心してくださいって言いたいからって、キャラにそんな奴出す!?最高~~
浅桐真大という男なんだけど、度々口にする言葉があって、
最高のハッピーエンドってのは、そういう風にできているんだ。」というもの。これを本編内で言わせるんだから凄い。
浅桐はしばしば彼らにとっての現実を、ハッピーエンドとかエンタメだとか表現するけど、そこに露骨さは一切ない。
キャラブレが無いから、序盤から感じた信頼感がずっと損なわれないんだな…
問題との向き合い方が良い。
ヒーロー達はそれぞれに過去がある。結構割と、思い出したくない類のものを抱えている人が多い。
ただ、本編においてそれが取り上げられる事は少ない。ヒーロー達の会話から
「こういう事があったんだな」と推察出来るから知っている。その程度の描写しかない。
一部例外は除く(本編で取り上げられる事もある)。
でもワヒロって「傷を乗り越える物語」じゃなくて「険しい道を進みハッピーエンドを
手にしようと足掻く物語」だと思っていて、そこが好き。フィクションのなかのリアリティを強烈に感じる。
人みんなそれぞれ悩みがある。でもそれを解決まで導くことって、現実問題 相当難しい。
「上手く付き合っていく」ことだと思うんだよな。ベターな手法。
ベストなのは解決だけど、問題って自分一人だけのものじゃないものが多いから難しい。
トラウマの克服が主軸ではなく、少年たちが頑張って探して見つけた自分の信念を胸に全力を尽くす箇所
なのが 好きだな…これは私の解釈。
もちろん本編で描写する傷とその決着もあるし、ガチでエゲつない。
そんなしんどいなら本編で出さんでくれと思ったレベルでしんどかった。
でもだからこそ答えを見つけるシーンは美しくて感動して心震えたので…
最高のエンタメだった。この二カ月で色々読み返して、そのたびに楽しませてもらってます。
まだ読めてない話があるから、オフライン版助かるはずだけど、サ終が悲しいな。
このあと何か展開がありますように。