2020-08-14

娘と夜な夜なタンゴ

つかまり立ちから二足歩行進化途中の娘、私の手につかまり歩く練習がめちゃくちゃブームになり、延々とそれに付き合わされている。

日中はなぜかさほど乗り気にならないようで、朝が早い夫が寝静まった頃に動き出す。

ハイハイポーズから、ンっと手のひらをこちらに向けたのが合図。エスコートして差し上げなければならない。拒否権はない。断ると泣いて怒り、安らかに寝ていた夫も泣く。

こちらが手を差し出すと、指をギュッと握ってすっくと立ち上がる。立つと上下左右にゆらゆら揺れながらマリオネットのように歩き出す。

非常に間抜けタンゴで、飽きもせず狭い部屋を延々何往復もする。

そんなことを毎夜毎夜やってたおかげで、繋ぐ手は片手だけで歩けるようになった。片手空くと何か持ちたいらしい。おもちゃを入れる小さな手さげ袋を持って歩こうとするが、何も持たない時とは要領が違うらしい。いつもより激しくフラつきながらトテトテ歩く。お土産を持って歩く酩酊したおじさん状態である。おじさんは満足気にフンフン言いながら袋を振り回していた。

こちらに期待して指をギュッと握られたとき、シワシワでもっと赤子だった頃に反射で握られたのと比べ、単に力が強くなったというだけでなく、明確に娘の意思を感じる。

私の指が娘にとっての支えとなるはずが、ギュッとされることで、なぜか私の方が勇気を与えられたような気になる。

ふと昔やったゲーム(ICO)を思い出す。手を繋ぐことで女の子勇気を持って脱出しようとしていたと思っていたけれど、主人公男の子女の子勇気をもらっていたんだろうなあ。

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