2020-08-13

少年サッカー指導者だった父が末期の胃がんを患った

春に行った自治体の定期健診で貧血が指摘され、再検査で大きな胃がんが見つかった。

自覚症状として胃の痛みはなく、便秘気味で便が黒かったがまさか胃がんとは思わなかったそうだ。

がんは肝臓転移していてステージVI、父の人生の終わりが見えてしまった。

父はずっと、おそらく40年は少年サッカー指導者をしていた。60歳くらいでアキレス腱を切っても辞めずに指導を続け、指導した子供は数知れず、教え子からJリーガーも輩出した。

葬式やったら弔問客が会場に入りきらないんじゃないかなと本気で思ってる。このコロナ禍でなければだけれど。

そんな父が検査結果に呆然とし、潔く開き直り抗がん剤による化学治療を開始した。

なんの問題もなく治療が進んでいると聞いていたけれど、それはやっぱり子供安心させるための嘘で。

抗がん剤の影響か若干のせん妄があるようで、様子を見に行った姉に話した言葉はだいぶ支離滅裂だったそうだ。

入院治療中に暴れて生理食塩水の点滴を引き抜いてしまい、針抜いちゃうと本当にやばい抗がん剤の点滴中は例外的家族の付き添いが許可された。

化学治療に用いる抗腫瘍薬は「認知症患者精神症状をきたしやすい」。

認知症患者に。

ということは、つまり

今まで考えないようにしてきたけれど、普段はしっかりしていてそんな心配はないと思っていたけれど。

強くて、怖くて、大きかった父が、弱っている。失われつつある。

父の人生は終わりが見えてしまった。ロスタイムに入ってしまった。今はアディショナルタイムっていうんだっけ。

スコアは勝っているだろうか。孫の小学校入学を見届けるため、あと1点くらい頑張ってくれるだろうか。

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