築15年の賃貸。
今までの住人が守り続けてきた風呂の給湯器のリモコンの保護フィルム。
電源ボタンがある下側はもうペロンペロンで、上半分の粘着力でくっついている。
誰も剥がさなかったことになんとなく伝統的なものを感じて、それに倣おうと、私の代で絶えさせまいとしてきた。
悪魔は囁く。
この部屋の歴史で未だ誰も触れたことがない唯一の場所に触れたくはないか、と。
好奇心は、ある。
築15年のこの部屋にこれ以上まっさらな箇所は、ない。
聖域を汚すような、背徳感がじわりと広がる。
Permalink | 記事への反応(1) | 18:14
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30年ぐらいの伝統を新入りのせいにしてやったやつはいる。