ボディビルダーの筋肉が実戦的であるか否かという論議があるが、左様な些細な事はどちらでも結構だ。私が主張したいのは、ボディビルダーの精神や生き様の軟弱さだ。金になる訳でも無しに、心疾患や脳卒中など健康を害する危険を負ってまでして肉体に過負荷を掛けて常に筋肉痛で体を弱らせている。其の上普段の生活では、米飯や菓子の類は炭水化物が多いから食えないだの、氷水は体を冷やすから飲めないだの、酒も煙草も健康に悪いから呑めないだのと、できないこと尽くしだ。何らかの宗教的信仰心を持っている訳でもないのに、身体の見栄えを良くしたいというナルシシズム的な自己陶酔で、人生を棒に振っている。これが軟弱でなくて一体何が軟弱と言えようか。別段健康の為の体操や趣味のスポーツを否定する訳ではないし、体力仕事によって自然と付いた筋肉ならば寧ろ良いとさえ思っている。ただただ、人生の貴重な時間をボディビルディングに空費する軟弱者が増加していることに私は辟易としているだけだ。
ボディビルダーなどに比べて、大阪市西成区の西成公園に屯している男共の方がよっぽど精神的に頑強であると言いたい。人目を憚ることなくその場で食って飲んで寝てと欲望の赴くままにバンカラな人生を歩んでいる。金が無ければ日雇いの仕事へ出向き、稼いだ金は酒・パチンコ・飛田新地でパーっと豪勢に使う。飲む・打つ・買うの三拍子揃った男らしい男だ。外見を気にしている女々しいボディビルダーなどとは真逆の精神を持っている。ボディビルダーよ、筋肉を鍛えることなどもう止めよ。貴君が鍛えるべきは筋肉ではなく精神だ。西成公園の男共が持つバンカラ精神を見習うべきだ。