2020-07-15

アラサー女の、うんちと業者との戦い一部始終2020

先日、自宅の浴室乾燥機が動かなくなった。

管理会社に連絡し、直接家に来て修理してもらうことになった。

筆者は彼氏同棲しているアラサーの女である。昨今流行りのウィルスの影響で、数ヶ月前から在宅ワークをしている。彼氏の方は、最近仕事を辞めたばかりで家にいるので、当日業者が来た時の対応を任せていた。

当日朝10時、インターホンが鳴り、約束通り彼氏対応をしてくれていた。

この家は、居間に入らずトイレや浴室に行ける構造なので、業者の方と私は1度も顔を合わせていなかった。

彼氏は、最初に少し状況の説明をしてからはもう任せっきりという感じで、すぐに私が仕事をしている居間に戻ってきていた。

実はこの日の私は、朝起きた時から仕事を始めるまでに2回もトイレに行くほど、お腹調子が悪かった。

元々便秘がちな体質で、何度もトイレに行かないと出し切れない上に、出し切るまでに何度も腹痛がある、ということがしばしばあった。

そこで、予想していた事態が起きる。

お腹が痛い…。

今すぐトイレに行きたい。

しかし、トイレと浴室は隣り合わせ。

今行ったとして、長期戦になることは間違いないだろう。豪快な音が鳴ってしま可能性はある。ブツが水面に入る時の音だって絶対に聞える。トイレットペーパーをガラガラして拭きまくっている音だってしかも、今の私の格好、彼氏が大昔着ていたであろうサッカーユニフォームに、太腿のサイドにクッションの付いたゴールキーパー用の短パン

無理である

アラサーとはいえ、私は女。謎の乙女心邪魔をして、中々トイレに行く決心が付けられずに痛みに悶えながら仕事をしていた(仕事になってないが)。

いやいや、すぐ終わる修理かもしれないじゃないか…もう少しだけ待とう…。

そう思って耐えていると、彼氏に「人いるからって我慢してたってしょうがないじゃん、トイレ行きなよ」と催促される。

そんなことは分かっている。私にはアラサー女なりの葛藤があるんだ、少し黙っていてはくれないか???

しかし、あまり正論にそんな言い訳も言えず、黙るのは私の方であった。

痛みには波がある。

数秒間の痛みがあり、引いてしばらくしてまた痛みが来る、の繰り返し。

なんとかその場をやり過ごしていたのだが、業者が呼ぶ声が聞える。彼氏対応してくれる。どうやら、車に道具を取りに行くのか、部屋を出入りするのでインターホンを鳴らしたら開けて欲しいとのことだった。

これだ。早く行ってくれ。その間に用を足してやる。

それから少しして、玄関のドアが開く音が聞こえた。今しかない!

私はトイレに駆け込み、速攻で用を足し仕事に戻った。その後、家のインターホンが鳴り、彼氏オートロックを解除する。

完璧だ。勝ったのだ。そう思っていた、この時は。

暫くして、また痛みが来る。戦いは終わっていなかった。便秘特有なのかもしれないが、すごい量のソレが溜まっているので、少し排泄しただけでは治まらず、何度も痛みと便意が来るのだ。そう、出し切るまで。地獄しかない…。

また痛みに耐える時間が始まり、私はトイレに行くタイミングを見計らっていた。早く修理終わってくれ、どんだけ時間かかるんだ…。実際何分の修理だったか覚えていないが、腹痛に苦しむ私の体感では、2時間はあった。

仕事も進まないし最悪だ、早く終わってくれ、そう思っていたその時、なんと再び玄関のドアが開く音がしたのだ。聞き間違いではない!今だ!!私はトイレに駆け込んだ。

強烈な腹痛であったにも関わらず、排泄のためにはしばらく気張っていないといけない。暫くすると、出た。だが、様子がおかしい…。

そう、ウサギさんである

歯切れの悪いコロコロのアレであった。仕方ない、とにかく出し切るまで頑張ろう、と力を入れていたのだが、集中が途切れたその瞬間、隣の浴室から音が聞こえたのである

嘘だ!ドアの音は聞き間違いだったとでも言うのか?!勘弁してくれ!

浴室の音に集中していると、しばらくして音は止み、トイレの前を人が通っていくような気配がした。

もしや、終わったのか!?なら丁度いい、早くこの家から出ていってくれ!

そう思っていたが、何も起こらない。

残酷事実に気がつくまでは一瞬だった。そう、業者トイレに入っている私のことを、彼氏だと思っているのだ。1度も顔を合わせていないので、私の存在を知らないのである…。

終わった…。

そうと分かってから地獄であった。

ウサギさんなので、うんちがリズミカルかつ勢いよく、元気に水を弾く音を立てる。

ガラガラトイレットペーパーを引く。おしりが綺麗になるまで、何度も何度も。

どう考えても全て聞こえている。

もうどうにでもな~れ。

生理中だったので、ナプキンを変える。ビリビリと音が鳴る。

パンツを履き、水を流す。バシャバシャと手を洗う。

全てが済んで、私はトイレを出た。

玄関の方をなるべく見ないように居間に戻るが、そこで小さめに声を掛けられる。

「あの、いらっしゃいますか?」

見覚えのないおじさんが立っていた。

はい、呼んできます

無心でそう答えた。

長い戦いが、終わった――。

こんなことは始めてである

今でも、どう行動すべきだったかは分からない。

痛みに耐えるのは容易なことではない。

私はやれるだけのことをやったのだ。

きっと、それだけで十分だ。

お疲れさま、私。

~完~

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