『26世紀青年』(原題:Idiocracy)という映画を見た。
ごく平凡な主人公が500年ものコールドスリープから目覚めてみたら、人類は「バカ」化の一途をたどっており、自分が全世界で一番賢い人間になっていた…という、ある意味異世界転生ものっぽい話である。
なにもなければただのコメディ映画で終わるのだが、見た時期が悪かったかもしれない。「バカ」化した人類があまり他人事に思えなかった。
流行りに乗っかり、見たいものだけを見、信じたいものだけを信じること自体が悪いとは言わない。誰しもそういう経験はあるだろう。でも、そこに「固執」「排除」という要素が加わると、話は違ってくる。
流行りに乗っかり、それこそが正しいことだと思いこむ。自分が正しいと思うものにこだわって、都合の悪いものは無視、あるいは自分の考えに沿うようにねじ曲げる。
自分が正しいと思うものだけあればいい。自分の主張さえ通れば他はどうでもいい。反対意見を持つ者(あるいは、自分が嫌いな者)が何か言っているが、耳を傾ける価値はない。