https://twitter.com/mhidaka/status/1214423001367625732
技術書典が「新しい本と出会うお祭りの場」という位置づけ、これは本当に素晴らしいものだと思うし、実際これまではそうだったと思う。
一方で、ここ2-3回、新しい本と出合うための自由度が下がる方向に規制が強くなっているような気がする。
結論を先に持ってくると、「明示的な商業化接触の禁止はやりすぎでは?マナーの問題ならばガイドラインなどで制約できなかったか?」と思っている。
今ある商業出版のものも売ってよいというのは、技術書であれば同人も商業も関係ないというスタンス、これはコミケなどとは異なるものだし、よいと思う。
だが、「これから商業出版になる(かもしれない)もの」に対しての態度が厳しいと思う。
それを端的に感じたのが上のツイートで、これまでから(そして今も)技術同人誌発の商業誌がたくさんあったところが、技術書典の会場での商業化スカウトが禁止されたと聞いている。
会場内での禁止は2-3回前からなので、何も今に始まったことではないが…
>望んでいないオファーや一方的なスカウトを受け取るのは出展ブースから逃げられない出展者にとって頒布の時間が削られますし、苦痛の可能性が高いです
長時間居座ったりした出版社がいるということだろうか?確かにそれは出版社のマナーとしてどうかと思うし、通報、ペナルティがあってもよいと思う。そういえば、C〇Rが出禁になったとかいう話も聞いたっけ。
一方で、商業化のオファーをうれしく思う参加者もいるはずだと思う。(残念ながら、うちの本はそんなオファーはきたことがないが)。
商業誌がその著者の名刺・実績として強力なものであることはもちろんだが、自分が認められるという承認要求を大きく満たせるものであると思う。
それだけでなく、商業化することは販路拡大、多数の人に触れるチャンスを増やすという意味で強力だと思う。
技術書典に来れない人に届ける手段として、Amazonなどの新しいルートに乗るので、「新しい本と出合う」という場所がもう一つ増える。
技術書典の参加者はエンジニアが多いし、いわゆる同人文化との接点が少なかった人も少なくないので、例えばとらのあなに委託しています、といったところで購入する人は少ない。
確かに印税率は低いと聞くし、改版などの制約が大きくなることは事実であろう。しかし、特に「多くの人に届ける」という観点で、商業誌の果たす役割は決して無視できないと考える。
そして、運営の中の人が、商業出版をすることに対して非常にネガティブな本を出していることも強く引っかかる。
商業出版がゴールではないとか、権利的に自由にできなくなる、印税率が下がる。いずれも正しいと思われる。
正しいのだが、それを技術書典運営・広報的な立場で表明することが果たして正しいのか、という疑問がある。
販売数において商業誌に比類、あるいは軽く超えるような状況にある前提の著者が、「商業出版しなくてもいいんじゃない?商業化のデメリットを挙げる」というトーンで進んでおり、一方的に商業化を殴っている内容であると感じた。
同人誌で数千部売ったので、一通りいきわたった(だから商業化不要)、デメリットも大きい。という意見は十分に理解できる。
だが、「技術書典で200部頒布し、その後商業化して数百部売りました。」といった話があった場合、商業化するメリットは大きいと考える。
商業化のオファーを一律迷惑なことと断じ排除することはやりすぎだと思うし、現在の商業出版を排除しているように見える動きは、”商業出版というルートで「新しい本と出会う」可能性”をつぶしているように思えてならない。
・ある程度混雑が緩和する、15時以降にオファー出しましょう。
などでよいのでは?