2019-11-25

Doctor Fish

10:50 西ぺろ通過」彼は4機目のたぬきマリオとしてこの界隈では知られていたが、糸井重里にその才能を見出されるまでは世間的にはまったくの無名だった。巨大化した生エビを避けながらコインランドリーに駆け込むと、乾燥機ダイヤル2036年に合わせ勢いよく乗り込んだ。一気に12年のジャンプである。両足に装備したそろばんにはタミヤ純正のグリスが差してある。理論上は20ジャンプしても99%問題無いはずだったが、1%確率タンパク質の塊になるのは避けたかった。乾燥機の中で彼は太刀魚ひろしのことを考えていた。太刀魚ひろしのミカンの食べ方は独特だった。皮を剥いていない状態ミカンを手で揉んで軽く潰し、指でヘソに穴を開け、そこからジェル状になったミカンをジュルジュルと吸って食べるのだ。それをさも当然のごとくやるので「この品種はそう食べるのが正解なのか」と周りを誤解させたことさえあった。財布の中には太刀魚ひろしから貰ったドリンクバーの割引券がまだ入っている。有効期限は既に2年...いや、乾燥機を出る頃には14年過ぎている。「大丈夫、いちいちチェックしてないって」半年過ぎたドリンクバー割引券しかなかった時、太刀魚ひろしはそう言って乗り切ろうとした。そういう問題じゃないと口論になり、怒りのあまり霊魂球を叩き割ってしまった。それ以来太刀魚ひろしは元の塩ビ人形に戻ってしまい、二度と喋ることはなかった。

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