どんなに偉くなってもどんなに大勢で袋叩きにしても、誰かを本気で死にたいと思わせたらその希死念慮が殺意となって自分たちへ襲いかかってくるという実感、それだけがこの国に道徳をもたらすんじゃないかな。
悲しいけど、この国の道徳レベルはまだその段階なんじゃなかろうか。
マズローの欲求五段解説で言えば一番下のレベルでしかまだ生きてないんだと思う。
まだ日本人の多くは野生の獣と何も変わらない位置にいるんじゃないか。
頭の中に居る理想の自分だけは自己実現のためにひた走っているつもりで、映画でヒーローを見ているとその頭の中に居る理想の自分が共感するから自分がそこにいると思いこんでしまうだけだ。
実際の自分はまだまだ生きるだけで必死で、明日自分が平穏で生きられるかどうかの確信すら持ててないんだ。
お互いがお互いをぶっ殺せるだけの力があることの実感だけが、上っ面の道徳観を現代人に与えられるんじゃないだろうか。
ガキが、オッサンなんかに、ババァごときが、自分を殺せるなんて思えないね。みんなすぐにそう思いこむ。
それじゃ駄目だ。
偉い人間だって飯食ってる時にお手製手榴弾投げ込まんだら殺せるかも知れないってことも、クラス全員が相手だって教室でガソリン爆発させれば皆殺しだってことも、全部教えちまおう。
そうしないと、命の価値だけは平等だなんて誰も分かっちゃくれないよ。
誰かが人権を大事にしましょうって宣言して、皆でそれを守りましょうって話になってたけど、それだけじゃ駄目だ。
守るために最大限の努力をしよう。
人間1人の価値が軽んじられているのは、俺たちの努力不足だったんだよ。
ちゃんと頑張ろう