2019-07-06

憧憬と屍の道(就活編)

あの日学生は思い出した

経験不足」(くらやみ)の中進む影は 誰も心許なく

不確かな未来はいだって 薄氷の上に咲く

企業訪れる度に幾度も冷たい手で俺たちの首筋を優しく撫でた

黄昏を裏切って灯る「周りの空気」(きぼう)の背に縋り追いかけた

地獄へと向かってるとしても

夢の続きが見たいなら お前は何を差し出せる?」「面接官」(あくま)は甘く囁いた

妄想でで道を作れ

この「選考」(かべ)の向こうに何がある?

幼き日々に憧れた真実はすぐそこにある祈りの文の先に

就活」(はこにわ)で繰り返す 悼みと恨みのループ

流れ込む「悪夢」(きおく)の果て、自由意味を問う

嗚呼可能性に満ちていた筈の若人達の器に運命は其々何を吹き込んだ

それは 誰の悲願か、誰の夢か悲しみ 憎しみが交わって

志望動機は互いを目指す

自由大人》に憧れた 人は空へと羽ばたける

企業」(あくま)は狡く嘯いた屍よ道を辿れ

この「お祈り」(そら)の向こうに何がある?

幼き日々に囚われた昔日の灯が照らし出す、お祈りの文の先を

空の上から見たら 一体何が見えるのだろう

ここではない何処かへ 行ってみたかった

幼き日々に夢見た広い世界の果てには、目眩を覚えるほど不条理が潜む

自由を夢見た代償は「ペラ自尊心」の賭金(べっと)

時に神の姿借りて「社会」(せいぎ)は牙を剥く

学校」(おり)の中も「学校」(おり)の外も 等しく地獄か……。

無い内定」(つみ)の重さを背負うほど踏み出す足に意味がある

世間」(あくま)は低く呟いた 屍の道を進め

この闇の向こうに何がある?幼き日々に呪われた 現実はいつ報われる?

「お祈り」(しかばね)の道の先で

《着慣れないスーツ姿》が駆け抜けた軌跡

《冷や汗》を散らして

《積んできた詭弁》を束ねても

就活の先の暁》には早すぎる

「在学期間」(太陽)はまだ沈んでいないのだから

進み続ける 闇の彼方へ…

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