2019-02-12

押し売りサービス

増田諸氏において、飲食で遭遇、体験した話というのは一大トピックだと思うのだけど、今日飲食に関して色々各所に書かれているのが目に入る。たとえば、ランチタイムに飯食ってたら子連れ団体が入ってきて、これは一種テロだよな……とか、増田でも、ステーキ頼んだら時間が経っても持って来ず、出ようとしたら料金だけ取られた、とか……まあ色々ありますわな。

私もまあ色々遭遇することがあるわけだが、その中でも未だに理解し難いことがあったので、その話をここに書いておくことにする。

あれは確か、妻とクラシックコンサートに行った帰りのことだった。この地方クラシックコンサートによく使われるホールを出て、帰りのバスに乗る為にバスターミナルに向かって歩いていたときに、妻が言い出したのだ。

「おなかすいた。食べて行こう」

「ん。いいけど……何かあてはあるかね」

「たまには何処か飛び込みで入ってみない?」

と、そこにあったのが、某県の農水産品のアンテナショップみたいな体裁居酒屋だった。私はその県名を聞くと、炭火の上に置いた網で焼いた地鶏連想する。妻はキビナゴの一夜干しを連想したらしい。顔を見合わせ、黙ってそこに入ったのだった。

中は結構若い人が多かった。ちょっと着崩したような感じでそこのユニフォームらしき法被を着た、化粧の派手な若い女性がオーダーを取りに来る。とりあえず、二人の頭に浮かんだ地鶏キビナゴ、それに食事になりそうな品と酒を頼んだ。ほどなく品は来て、普通に食べながら時間を過ごしていたわけだ。

派手な女性食器を下げに来たので、地鶏の乗っていた鉄板を返し、返したことも忘れて妻と話をしていたとき、派手な女性が何か持って戻ってきた。ん、何も頼んでいないのだが。女性ドヤ顔で、

「これ、何だか分かりますかぁ?」

はぁ。さっきの鉄板の上に、半分黒くなった……米か。その上に刻んだ万能ネギ、そしてマヨネーズが縦横にかかっている。

「さっきの地鶏なんですけどぉ、美味しいのは脂なんですよねぇ」

はぁ。

「その脂で、リゾット作っちゃいましたぁ!はいお召し上がり下さぁい!」

……何、それ。そもそも私は夜は米、パンを食わない。酒を飲むのもあって、糖質制限という程でもないんだが、食べないことにしているのだ。しかも私はマヨラーではない。こんなマヨネーズが縦横にかかっているものを食べる趣味はない。そして何よりもまず、我々はそんなものは頼んでいない。メニューにもそんなものが出てくることは書かれていない。

私はそういう風に簡潔に話した後で、「なので要りません。さげて下さい」と断わった。派手な女性は、まるで異星人でも見るような目をして「えー、食べないんですかぁー?」と二言三言言った後で、それをぞんざいに持ち、下げていった。

飲むものを干して、妻と私は速攻で店を出た。こういうのは何よりも厭なのだ押し売りサービスってのはサービスでも何でもない。ただの押し売りだ。どうせそのコストは料金に入っているんだろう。ましてやそれはサービスじゃないんだよ。せっかくのコンサートの後の飯を台無しにされてしまった。せめてもの口直しに、二人分のプリンを買って帰り、家で茶を飲みながら食べつつ、あの店の話になった。

「あれは、何だったんだろうねえ」

分からんなあ……」

今も分からんのだな。これが。

  • カキ料理店いったらスープがうまいんだからスープも飲めと言われたことあるな 牡蠣だけ食って何が悪いんだよ

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