おれは座席の前の吊革につかまっててさー、まぁ細かい描写は省くけど、
横に立ってる人との間に、急におっさんが体滑り込ませてきたのよ。
まぁ少しは隙間があったけど、普通そこに入ってくるか~??と思ってちょっといらっときた。
そしたらそのタイミングで電車がブレーキかけて、どこにもつかまってないおっさんはバランス崩して、おれに背中から寄りかかってきたのよ。
さすがのおれもそこでぶちぎれるような人間ではないから、いらっとしながらも支えてやったんだよ。
そのおっさんがゆっくり振り向いてくるんだよね。なんか妙に穏やかな目をしてた。もしかしたらちょっと酔ってたのかもしれない。
そんでおっさんが、これまたゆっくりしたトーンで「すみませんね。申し訳ない。」穏やかな微笑とともに言うんだよ。
おれは特に返事することもなく、無表情でうなずいただけだったんだけど、
前を向き直したときに、全然いらついてないことに気付いた。むしろそれが起きる前より穏やかな気持ちだったんだよね。
その時に「あ、やられたー。」って思った。
おれには同じことはできない。あんなに穏やかな顔で、声で、見知らぬ相手の目を見据えて謝ることはできない。
このおっさん、やるなー。
と無表情で前を向いたまま、おれは隣のおっさんに賛辞を送ったのだった。
終わり
anond:20190126151837
電車ってもっと声かければ、あんなにギスギスした乗り物じゃないのになって思う 鉄道会社の人にはわるいけど、ほんと電車って不快な乗り物で、 無理やり入ってくる人だけでなく足を...
相手に向き合うって大事だよね。 よろけて倒れかかってしまうと、恥ずかしさや申し訳なさ、情けなさ、全て「自分自身」の感情でいっぱいになる。 相手よりも自分と向き合ってしまう...
そのおっさんは知らないけど掴まれるのに掴まらず周りに体重預け放題の人とかけっこう見る そういう人けっこう嫌いなのでさっと避けるとよろめいたりして楽しい
きっとそれはぬらりひょんだ