2018-12-27

私はうそつき

私はうそつきだ。息をするようにうそをつく。

本当のことがとても嫌いで、それを他人に知られることに寒気がする。

とはいえ、なんでもかんでもうそってわけじゃない。さすがに学歴や経歴を詐称することはしない。

知られたくないと思うのは、私の過去に関わることだ。私の過去について話すと、人は不愉快になる。

それを就活とき知った。過去というのはつまり生い立ちだとか、家族構成だとか。

採用面接うそをつくのは良くない」

と、そのときの私は思った。根は正直者なのかもしれない、バカがつくタイプの。

から本当のことを話した。

そうしたら、ものすごく謝られた。悪いこと聞いたね、つらいこと思い出させちゃったねと(後日祈られた)。

私は生まれからずっと虐待を受けていた。16のときに親が死んだので16年間、結構ヘビーなやつを。

一番すごかったのは、まあ、あれです。漫画とか映画とかでよく見るあれ(さすがにそれに関しては話さなかった)。

それに関して、別に悲しいとは思わない。不健康だとは思うけど、不幸だとは思わない。ただの過去だなと思う。

なんていうか、どうでもいいんだよね。

だけど、その話題になったら私はうそをつく必要があるんだな、と学んだ。

私の過去は「悪いこと」であり「思い出しちゃいけないこと」であり、

私という人間がどうやって生きてきたかは、ひとに話しちゃいけないことだ。

それ以来、私はうそつきだ。昨日の晩御飯ですら言いたくないときもある。

でもやっぱり、本当の私を知ってほしいときもあった。

BUMP OF CHICKEN楽曲に「ベル」という歌がある。

僕のことなんか何も知らない君から電話がかかってきて、元気? と

聞かれただけで泣いてしまう、という話。

「僕」は、自分を「僕のことなんか」と思っている。

「僕」は、話したいことがたくさんある。

「僕」は、いつも本音を言えない。

「僕」は、自分を忘れないでほしいと思っている。

「僕」は、ささいなやさしさに涙する。

私はこの歌がとても好きだ。まるで私のことみたいだと思った。

私のことなんか、みんなひとつも知らない。

私のことなんか、みんなすぐ忘れるに決まっている。

そんなふうにイジけていても、

本当は話したいことがいっぱいあって、ホントのことを話したくて、

みんなが大好きだからみんなを知りたくて私を知ってほしくて、

いつもいつもいつも、溢れそうになる。

長々と書いたけど、以上のことは全部うそです。

だって私はうそつきから

なにもないよ。話したいことも大事な物も。

バンプで思い出したんだけど「うみべの女の子」って漫画台詞を借りるなら、

ただの暇つぶしですよ(笑)

  • 🐈ねこ全部読んだよ。 うそでもいいので、またはなしてね。

  • 息をするようにうそをつく、ではありません 息をはくように嘘をつく、です それぞれの動詞が同じ『吐く』で表記できるところがポイントなんですよ

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