2018-12-12

研究者の恋文

とてもとても好きな人がいた。

この人こそ人生を共にする人だと確信した。

けれど一つだけ、たった一つだけ引っかかることがあった。

いまになってみると、その人は私のことなど大して好きでもなかったんだと思う。

苦しくて苦しくて何度も突発的に死のうと思った。死ななくてよかった。

もっと自分を大切にして、さっさと別れるべきだった。

けれど当時はきっとわかってくれると希望を繋いでいた。

会って話すと泣きそうだし、LINEだとその人はすぐ怒るしで、手紙を書くことにした。

申し遅れましたが、私は研究者である

論文書くとき感覚が染みついているからか、1つのことを主張するのに10000字くらい使ってしまう。

研究者の皆さん、そうですよね?

手紙はめちゃくちゃ長くなった。

返事は来なかった。

手紙を書いている間に腱鞘炎になった。

同じ腱鞘炎になるのなら論文を書いてなる方がよかった。後悔していないというと嘘になる。

研究者ではない友人にこの話をすると尋常でないくらいにウケたので、ここでお焚き上げして新しい年を迎えたい。

研究者の皆さん、いくら感情的にならないようにしようと思っても、論文のノリで恋文を書いてはいけません。

研究者同士ならいいかな?)


ちゃんと話されへん思うて手紙書いてんけど

■早よ渡さなあかんやん

20枚越えてんけど ドン引きするかなあって

■長っ 引くわ

あんまりいか小見出し付けてん

論文か おかしい。゚(゚ノ∀`゚)゚。

□いやこれでもう別れるんやったら、アレもコレも伝えときたい思うて

■せめて5分の1にして 好きな理由かいらんで 要点だけ

□〇〇をやめてほしい理由 で3節 1章ある

あほな 論文ちゃうねん

□何が君にダメージになるねんって言われたから、「ダメージのかたち」で1章

面白すぎる

□「どうしてほしいか」でもう1章やねんけど

 なんで

 ここ泣くとこやん 泣きながら書いたのに

■ええー 声出して笑うたわ

□そんなに受ける?

真剣やのにごめん

□渡したら受けるかな

 封筒に入らへんねん

レターパック 仕事

□やっぱりもっと削らなあかんかなあ

■あたりまえやん

□赤入れられて書き直し言われたりして

■それ読んで読書感想文書かなあかんのか

 かわいそう

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