まず前提として、安倍政権は歯舞諸島と色丹島の二島返還でロシアとの領土問題を決着させ平和条約を結ぼうとしている、ものとする。
1. 日本はサンフランシスコ講和会議で択捉と国後を放棄している。よく言われる、「ソ連が勝手に宣戦布告して占領されてそのまま返ってきていない」というのは間違い。戦後処理を経て放棄している。
2. 逆に歯舞諸島と色丹島は戦後処理を経ていないので、未だ占領状態と言える。なので1955年からの平和条約交渉とその予備交渉において、ソ連は一貫してこの二島を返還するつもりでいた。
3. 上の平和条約交渉が最終的に頓挫したのはご承知の通り。最大の問題は日本側が予備交渉の当初から、歯舞諸島と色丹島に加えて何故か択捉島と国後島の四島返還にこだわったからである。
4. 鳩山一郎内閣が四島返還にこだわったのは、主に国民への人気取りのため。「ダレスの恫喝」は平和条約交渉期間内に起こったとされる出来事であり、大した影響はなかった。そもそも事実かも怪しい。
5. 日ソ共同宣言後も日本は面子を守るために北方四島を日本固有の領土とする立場を堅持している。ソ連やロシアとの平和条約締結は未だならず
ここでスーパーリベラル安倍政権の出番である。国内の歴史的な経緯や面子を無視して二島返還に舵を切ることができる安倍政権はとても評価できると思う。
## 追記
出典がなかった。
本文中の安倍政権の評価、鳩山一郎が四島返還にこだわった理由が脆弱な政権基盤を維持するための人気取りという推測は俺のものである。
それ以外は「日ソ国交回復秘録」にもとづく。この本は日ソ共同宣言までの予備交渉と本交渉において全権大使を務めた松本俊一の回顧録に注釈をつけたものである。原本は「ダレスの恫喝」の唯一の一次資料でもあるらしい。
講和会議で放棄したのは千島列島で、日本政府は一貫して北方4島は千島列島に含まれていないとしてきているのだが。
フランス政府はサンフランシスコ講和会議の議事録を根拠に、日本は択捉島と国後島が千島列島に属することを承知していた、と言っている
とは言っても日本政府としてはそうではないと主張しているわけだからな さらに言えばソ連は講和会議に調印していないわけで、ソ連が勝手に占領する権利はない。
元増田です。 日本政府が択捉島と国後島を一度放棄したのは間違いない。 その後いつどのようにして何の目的で政府が変節したのか、正確なところは俺も理解していない。 「一九五...
安倍総理ありがとう