昨日は何となく古い歌を歌いたい気分だったので、記憶の中から色々掘り起こして口ずさんでたんだ。
でさ、宗谷岬っていう歌あるじゃん。流氷とけて♪ 春風吹いて♪ ってやつ。
あれも思い出したから歌ったの。別に特に好きな歌では全然なかった。ただ授業かなんかで教わって覚えてたってだけ。
むしろ子供の頃は、歌詞もどーってことないし曲も冴えないし、つまんねー歌だなーと思ってた(歌作った人ごめんなさい)
ところが、昨日ものすごく久しぶりに声に出して歌ってみたらさ。突然、あの歌に込められたものが分かった気がしたんだよ。タイトル回収ね。
冬の厳しい北の岬で、春の訪れをはっきりと感じて、何が起きているでもないけどウキウキしてしまう。そんな気持ち。
こんなこと、歌詞見れば分かる人は一発で分かるだろうし、国語の問題で「この作者の心理を答えよ」って聞かれればたぶんそれなりに回答できると思う。
でもそういう理屈じゃなくて、何だろう。歌ってたら俺自身が、春の海岸を散歩してウキウキしているような気持ちになったんだ。
それどころか、何か知らんけど泣けてきた。
春が来てうれしい気持ちと(来てないけど)、長年分からずにいて、分からないってことを自分自身気付いてさえいなかったことが、
年月が経ったっていうだけの理由で不意に分かるようになったっていう感動が、混ざっちゃって。
年とるってすげーな、と思った。
あと、歌ってすげーな、とも思った。
そんだけです。オチなし。