サマータイムは開始時と終了時が大きなトラブルが発生すると考えられています。
例え話にします。ある製造業の会社があります。オフィスには社員が見える位置に壁掛け時計がついています。この時計は少し特殊で、秒数しか表示されません。具体的に言うと、ロンドンで1970年1月1日0:00から経過した秒数です。例えば、日本時間の2018年8月11日午前0時は、1533913200となります。
けど、これでは不便なのでオフィスには変換器が用意されています。その変換器を通してみれば日本時間の日付と時刻を教えてくれます。ですので、多くの社員はこの変換器を利用しますが、たまに、変換器を使わずに仕事をする人や自分で変換器を作る人もいます。また、オフィスの変換器は、サマータイムに対応しています。サマータイムが始まる際は、XX年6月30日23:59:59の1秒後はXX年7月1日の2:00:00です。また、終わる際は、XX年9月1日2:00:00の1秒後はXX年9月1日の0:00:00です
毎日0時になったら仕事を始めるAさんがいます。Aさんは、オフィスの他の人が自分の机に持ってきた書類をファイリングして、日付をつけてキャビネットにしまう仕事をしています。その書類には完成した商品の情報が書いてあります。完成した商品の情報が書いてある書類をキャビネットに入れることで、お客様が商品を受け取りに来た時に、受付の社員がどこに取りに行けばいいのか分かるのです。
XX年6月30日。その日の仕事を終えたAさんは、次の0時を待っています。しかし、変換器を通した時間ではXX年7月1日の0時は存在しません。ですので、次に仕事をしたのは7月2日の0時でした。
7月1日の朝になってオフィスにお客様が品物を受け取りに来ました。受付のBさんはお客様の依頼を受け、キャビネットを探しに行きますが、書類が無いので、「まだ完成していません」と答えます。本当は商品はできているのに…。
XX年8月31日0時。Aさんは、普段通り仕事をはじめました。自分の机の上にある書類をまとめて、「XX年8月30日分」と書いてキャビネットにしまいます。しかし、その2時間後、またXX年8月31日0時がまた来ました。あわてて自分の机の上を見ますが書類はありません。(工場が動いているのは8時〜20時)書類が無かったので空のファイルに「XX年8月30日分」と日付を書いてキャビネットに向かいますが、すでに同じファイルがあります。
キャビネット内に同じ名前のファイルは存在していけない決まりなので、そのファイルは捨てて空のファイルをキャビネットにしまいました。
朝になってオフィスにお客様が品物を受け取りに来ました。受付のBさんはお客様の依頼を受け、キャビネットを探しに行きますが、書類が無いので、「まだ完成していません」と答えます。本当は商品はできているのに…。
さて、これを解決するにはどうしたらいいでしょうか。
そうです、Aさんには◯月◯日には、0時はないので2時に仕事して下さい。さらに、□月□日は0時が2回くるので2回目の0時に仕事して下さい。また、受付のBさんには□月□日の1回目の0時には、キャビネットには書類は来ないので、2回目の0時になるまで待って下さい。と教えればすみます。サマータイムはこうして対応可能なのです。
サマータイムを考慮していないシステムは無数にあると思われますが、考慮したシステムに改修すれば問題ありません。不具合が発生するケースは、例え話以外にも考えられますし、解決方法は他にもあるでしょう。
自社の全てのシステムをチェックして、上記のようなエラーが起きる可能性はないか精査します。多くのシステムは仕様書がなかったりするので、その場合は実際にテストしてみたりしないといけません。さらに、AさんとBさんの連携のように、他のプログラムと連動する場合は、サマータイムの開始・終了の際にどう対応するかを取り決める必要があります。社外のシステムの場合もあるので、そうした会社と調整が必要になります。
精査、改修、そして実際に問題ないかテストするプロセスで、日本全国で対応できるまで、おそらく最低でも数年程度はかかるでしょう。2000年に合併したみずほ銀行のシステム統合は今年完了するようです。18年経って、完成しないのではと言われていましたが、なんとか完成に漕ぎ着けられそうです。
また、改修には予算がかかります。ぽっとその予算を確保できるでしょうか。大企業なら内部留保等で対応できるかもしれませんが、中小企業だと数年かけて積み立てないといけないかもしれません。
いずれにせよ、5年くらいかければサマータイムを導入することは可能です。それでも一部のシステムは間に合わないかもしれませんが、生活に支障が出るレベルではないでしょう。多くの技術者に「無理だ!」と言われて心配していた、オリンピック委員会のみなさん、安心して下さい。
大丈夫です。最短でも2023年にはサマータイムは導入することができます。
現在動いているシステムは、すべてサマータイムを見越して作るべきだったかもしれません。それは確かにそのとおりです。その意味では、IT屋にも責任があるのかもしれません。
しかし、サマータイム対応となると考慮した設計をしなくてはならず、費用が余分にかかります。1億のシステム開発で、サマータイム対応することで2000万余計にかかる、ということも充分考えられます。元号や2000年問題と違って、導入されなければ永遠に使われない機能です。
これに関しては、プログラマにはメリットしかないと思ってる。 サマータイム対応の単価をクソ高く見積もって出せばいいし、その中で札束を積んだ順に仕事を受ければいい。 納期は相...
それで設けたのが建設業だよね 復興特需も重なったけど