海賊版サイトの対策案として、法整備を伴わない緊急避難的ブロッキングを行うべきか否か。
このことに関して、カドカワ株式会社代表取締役社長の川上量生氏が「緊急避難的ブロッキング」の積極的支持を表明したことが物議を醸している。
「出版社の社長として」超法規的ブロッキング策に賛成するのは当然の発言かもしれない。
ところで、ネット規制に関する発言は「海賊版の問題に限った発言」なのだろうか。
上記の記事を読めば分かるが、川上氏は経済的自由権・精神的自由権のどちらの点においても、国家がネットを規制すべきであるという考えを持っているのである。
ちなみにこれら以外にも腐るほど記事は出てくるのでもし興味があればネットで検索してみるといい。
僕はこれまで、何度か「中国は正しい」と発言して炎上してきたが、これは倫理的に正しいとか、政策を支持するとかではなく、国家として非常に合理的な行動だと言っているのだ。
何度炎上しようとも「国家はネット規制すべき」論を繰り返す川上氏。この主張に関してはとても強い思い入れがあるのだろう。
また、同様に「自分は『国家による規制が良いこと』だと言っているんじゃない。国家がネットを規制したがるのは当然だということを言っているんだ」という意見も付け加えることが多い。
……しかし川上氏は本当に「国家による規制という行為そのものを肯定しているわけではない」のだろうか?
もちろんカドカワの社長として海賊版の対策を積極的に進める姿勢は分からなくもない。
しかし今回のブロッキング政策に関する川上氏の意見は、社長の立場からというよりも「国家が情報を統制すべき」という個人的な主義主張の延長であるように思えてならないのである。
そういえば川上氏は、つい最近「情報公開で国が滅ぶ理由」なんて記事も書いていたような……。