心理学では箱庭療法という治療法を用いる事がある。空の箱の中へ好きなフィギュアを用いて自由に配置させ箱庭を作らせる。これは、表現療法でもあるらしい。だとすればどうぶつの森というゲームもその一種だ。
頭の中に空想を描きながらまるで盆栽でミニチュアの世界観を作るかの如く、和気藹々と動物たちを暮させる。これには対象の心理が自ずと現れてくるものだ。落ち込んでいるものは何も配置できない。几帳面な者は整然とした箱庭を作る。こうして内面が表に出てくるものだ。
はじめは荒涼なる大地に魔法をかけるかのように、物を増やしていき創造主のような面持ちで世界を作っていた筈だ。
twitterで拡散される事を目的に、劣悪な環境を作り上げるものもいる。その行為ですら、人間性や心の闇の一部を浮彫とさせる。
他人の承認を得たいが為に構築された世界観。どうぶつの森は心の病理も含む一切を詳らかにする。面白さはその点にある。箱庭を通じた他者理解が可能なのである。
どうぶつの森の世界観には、創造主を認める自由な雰囲気があり、解決出来る程度の問題があり望ましい関係がある。遊びを通して、自分自身を表現していきたいものには打ってつけだ。