2017-10-08

非正規労働者を減らす視点から始まる、日本の豊かさについての話。

日本非正規労働者をどうすれば減らせるのか、なぜそれを政策に求めるのか?について考えてみました。

私は正規で働いており、平均以上の年収をもらっていると思います。周囲の人と話をすると、どうしてもバイアスがかかります

よく周囲に「能力がないか非正規なんでしょ?」と切り捨てる方がいますが、それも違うんだろうなと思ったため、整理したい次第です。

頭の中にある前提

一般的非正規労働者賃金が低く、生活に困窮している

正規労働者になれば、会社から保証も手厚いし、生活の安定性がます

一般的賃金正規労働者の方が高いため、生活が楽になる

しかし…、正規労働者の枠は限られており、現状は非正規しか働き口がない。かといって働かないわけにはいかないから、非正規でも働く。

経済学的な視点

正規非正規割合は、経済学に基づくと考えられます

賃金需要(企業側の労働力要求), 供給(労働力提供)の間で決定されます労働側の供給が多ければ企業は安くでその能力を使えますし、逆なら賃金は高くなりますね。

ここで問題なのは、多分本当に専門性必要仕事は、全体の10%ぐらいしかないと言うことです。

ここで言う専門性とは、能力を取得するまでに期間が必要仕事のこととします。 *1

そうなると企業側は「雇いたいけど誰でもいい」という状態になって、安く雇おうとします。その1個の手段非正規になるわけですね。

しかし、その非正規を雇うという選択肢が最強なわけではありません。労働者側には「働かない」という選択肢があります

本当に働かないっていう選択肢はとれるの?

現状だとできるけどやらないという視点が正解だと感じました。*2 働かない場合選択肢生活保障です。

企業側は生活保障支給額よりも高い額を支払わない限り、労働力を購入できないというのが経済学的な視点です。

しかしながら、生活保障受給する上での信用力の低下、世間体、その取得の難しさ(個人ではなく家族も含めて収入を見られる)から、実際の価値は目減りします。

結果、額面上は生活保障より少ないけども非正規(正規でも)で働き続けるという状況が起こります

政策対策を求める場合手段と結果

以上を踏まえて、どうやったら解決できるでしょうか。経済学的に労働者側が弱いため、企業の力では変わりません。株主価値に反するため、企業が不必要人件費を払うことは基本的にできませんし、やりません。*3

ならば、政策はどのようなことができるのでしょうか。

企業最低賃金UPや非正規労働者数の規制を行う

非正規労働者数を減らす事だけを考えると、最も得策だと思いますが、色々な影響が及びます

失業率の増加

企業が支払うことのできる人件費は、それなりに決まってしまます。1人あたりのコストが上昇した場合は、数を減らすことで対応する可能性があります

(もちろん、賃金10%上がったから人数が9.1%下がって人件費±0というわけには行きませんので、必ず人件費は+になりますが、概ね下がります

また、賃金が増えることにより費用を圧迫するため、倒産件数も増えます。よって失業率が増加します。

失業率の増加に伴う失業保険費用生活保障費用の増加

結果として、職が無い人が増えるため、失業保険費用生活保障費用の国の費用が増加します。財源を圧迫しますね。

なんかシムシティみたいですね(やったことないですけど)

生活保障システムを見直す

労働力需要供給の、供給側の力を増やそうという考え方です。

生活保障システムが、そもそも企業人件費の下限を作るために作られたものでは無いため、おそらく財源がパンクします。

まり政策にこの辺の問題解決を求めてもみんななんかいまいちな感じなのは、「正直結構難しい」からなんですね。

じゃあどうすればいいのか?

その場しのぎでは無い考え方をすると、日本産業もっと活発にするにはどうすればいいか?という考えに帰着します。

世界に向けたプロダクト・サービスを作り、日本外貨もっともたらす企業があればいいんだなと言う結論に至りました。

もうちょっと詳しく

話が飛びましたね。直接的な政策解決策が無いのであれば、その裏側にある部分を変えようと言う話です。

一つ上で話をした、企業非正規雇用割合規制をする話ですが、企業側の人件費もっと余裕があれば、規制をしても生き延びられます

国内人件費の総額 = 各企業人件費 × 企業 ですので、売り上げがもっと伸びで規制をかけても大丈夫会社が増えるか、企業数が増えればいいですね。

なお、企業の稼いだお金基本的には株主と次の設備投資にまわりますので、実際いくら売り上げが増えても、人件費企業自身では上げないかもしれません。

そのためには政策の力が必要ですね。もしくは、新しい企業もっともっとたくさんできて、もっともっとプロダクトができれば、それだけ日本は豊かになりますね。

言う考え方ですが、どう思います

私は日本を牽引する立場にはありません。これまで日本を豊かにするって言葉意味が正直わからなかったし(正直日本は豊かですし)、その方法もわかりませんでした。

だらだら書きながら、考えをまとめてみました。

全部想像なので、重要インサイトも抜けているかもしれません。何か気づいた点があれば、ぜひ教えてください。

脚注

'*1 詳しい専門性定義とや、どうやったら専門性を獲得できるか。どうやって判断されるか?も書いたのですが、話がずれるので消しました)

'*2正規雇用側の話ですが、昔はストライキと言うもの存在したみたいです。今時聞きませんね。

'*3ちょっと決めつけになっていますが、株主投資目的でその株を持っているという考えが多数派のためです。非正規雇用に対して独自ルールを持っている企業もありますが、それは社会的責任を担うことにより、企業価値を高める効果を狙っており、結果的株価へ影響します。

'*4労働力需要供給問題を話すと、二極化問題の話もしたくなりました。

  • この手の人は、 日本の非正規労働者数が増えてる主な要因は、定年後に再就職する高齢者と主婦パートが増えてるから って前提を忘れてるのがなあ 彼らはそもそも正規労働(=フルタ...

記事への反応(ブックマークコメント)

ログイン ユーザー登録
ようこそ ゲスト さん