精神と時の部屋やカンヅメカンみたいな効果を持った不思議な機械の力で私の精神とゲーム機だけを加速させて5時間の間に50時間分のゲーム体験をしたい。
今だとたとえばDQ11とかP4とか一度やってみたいんだけど、そのために50時間も使う気はないんだ。
とはいえやりたい気持ちは確かに存在するのでこの方法によって解決したい。
『三日間有給を使って徹夜でやりこめばいい』と思う人もいるだろうけどそうじゃないんだ。
1万円するステーキが食いたいんだけど千円しか金は出したくないってのと何も変わらないもんな。
ああそうですよ私が間違ってる。
なんだろうなあ。
かっこいいオッサンや可愛い女の子と一緒に冒険したり、こつこつLV upを繰り返したい気持ちはあるのさ。
どこかで見たような話を稚拙なテキストでなぞるだけのシナリオなのに、BGMや演出による効果と自分がコントローラーを握り続けた事による感情移入のせいで大げさに感動しちまいたさ。
溜め込んだ回復アイテムをふんだんに使ってラスボスをボコボコにしたいさ。
でもそれに時間を使うのは勿体無いぞともう一人の自分が叫び続けてるんだ。
そんななかでダラダラゲームなんてやっても、時間の価値を知らなかった中学生の頃みたいには楽しめない。
ああそうだ。
結局はあの頃みたいに、人生をジャブジャブ使っている事に無関心なままで呑気に涎垂らしてコントローラーポチポチ押してたいのさ。
今はもう駄目だ。
たとえばゲームオーバーになった時の感覚が昔と今じゃぜんぜん違うんだ。
子供の頃はゲームオーバーになると、画面の中で自分が敗北したことにショックを受けていたもんさ。
でも今は違う。
ゲームオーバーになって最初に感じるのは、あちゃあクリアにかかる時間が増えちまったぞ、さ。
過程を楽しむ余裕が無くなってる。
テキストは最高速にしてスキップスレスレのスピードで読み進めてる。
WIKIを見てないときでも、ロールプレイガン無視の最強装備の事しか考えない。
ルート分岐の気配を感じたら一周目からWIKIをなぞるだけの作業の始まりさ。
ネタバレを見ることよりも、分岐失敗で周回回数が余計に増えることの方が怖いんだ。
なんだこれ。
もうゲームなんてやめちまえ。
年に数本遊ぶかどうか。
でもまた味わいたいんだ。
あの頃のゲームへの没入感を。
記憶注入とか ソシャゲなら時間短縮課金だな