ヤバいといっても、見た目の特徴のことじゃない。
普通の見た目なのに、「なんでこんな人が社会で生きていけるの?」という人は確実にいる。
そんな人がクライアントになることはある。絶対に避けられないし、事前には見抜けない。
そして、人は慣れる。
慣れたときに「あなたを大切にしない人のことを、大切にする必要はない」といわれても、判断するのは難しい。
そこでチェックリストを用意した。
以下のチェックリストに3つ以上当てはまったら、次の仕事は断った方がいいだろう。
いくつかわかりにくい箇所があるので説明しよう。
"相場を知らない"、"値切られた"あたりは論外なので説明しない。
仕事を頼まれる前に値切られたことがあり、値切り前の相場が半値だった、という地獄のケースもある。
(あなたが地方在住の普通のフリーランスプログラマなら、4500円/時×あなたの地元の最低賃金 / 東京都の最低賃金 が相場だ。)
"昔プログラマ/Webデザイナーなどだった"は異論があると思う。私がいいたいことは、半可通はヤバいということだ。
とにかく意味のないところにこだわって、その割に品質が低いので「これ私が作りました」と言いづらい。
"契約書がない"、"仕事の進め方が決まっていない"あたりも論外だ。
ただし、社内にIT担当者がいないのでITの仕事の進め方がわからない、といった場合は別だ。
(なお契約書がない場合、契約書を作っても契約内容を守らない輩が多い。)
"締め切りがない"というのは、請負なのに事前に見積もりできない案件だ。
「何を作るのか決まっていないが、金額は固定で最終的な納期もASAPで」という案件は実際にある。
こんな仕事を知人だからというだけで請けてしまったら、次からは断ろう。
"仕様がよく変わる"は悪いこととは限らない。そのたびにお金がもらえるのなら。
もし「仕様が変わったので直してほしい」と言われたら、「いくら出す?」と聞こう。そして、メールや音声は証拠としてとっておこう。
——これは最悪なケースだが——過去にクライアントの社内メールシステムでやりとりしていたら、プロジェクト終了時にアカウントごと消された例があるのでNDAに気をつけつつ証拠はとってほしい。
"顧客第一主義"というのは、顧客に振り回されてあなたの都合を大切にしない主義のことだ。
ましてフリーランスなのだから、スケジュールを押さえずに「ちょっと待って」を繰り返されたら、他の仕事もとりづらくなる。
"誤字脱字が多い"も、相手があなたを大切にしていないポイントだ。
他にも"収入印紙を2枚とも買いに行かせる"、"レベニューシェアを持ちかけられる"、"常に電話で返信される"、
"返信に3日以上かかる"、"仕様追加をバグ修正といって無料で済まそうとする"などがある。
説明は以上だ。
ところでこれは、WEB+DB PRESS Vol.100の"あのときの自分へ"へのリスペクトだ。
文中の「あなた」は5年前の私のことだ。
タイトルに(田舎で)と入れたのは、関東の田舎で起業した自分が最初に出会ったのがこのタイプの人だから。
でも続けるかどうかは、あなたが選べる。相性が悪ければ、穏やかに断ろう。
この文章を関東の田舎にいた5年前の自分と、中部地方の田舎にいる知人のフリーランスプログラマーに送る。
お前は他人を大切にしすぎるから、自分という他人も大切にしてくれ。
(あと遠慮してないで、仕事くださいって言え。)