それは子供が死なずに1年2年と生きることみたいに、奇跡だと思える時がある。
昔は、交際1周年とか、なんなら半年とか、記念日とか、よくわからないなって思ってたけど、今は違う。あれは生存を祝う感覚なんだね。七五三とかと同じ感覚。
人間だって、下手すりゃ人間として生まれてくる前にものすごい数が死ぬし、人間として生まれてきても、最初の数年で死んでしまう数はものすごく多い。人間の命ですらそうなんだから、人間同士の関係性だって、維持するのって、やっぱり、それができることって、すごいことだと思う。
「あなたとわたしという関係が、お互いの意思と合意のもとで、関係を継続し続け、晴れて半年を迎えました」みたいな、そういうお祝いの感覚。よく死ななかったなあ、よく消えなかったなあという感動。焚き火の火が消えずに持ちこたえたような喜び。
そんなふうに記録更新をしていく上で、マイルストーンとしてなんらかの貴金属や貴石を用意するのは、さすがにコストがかかるとは思うけれど、それでも、関係の継続を祝ってなんだかお祝いしたい気持ちになるのは、今ならわかる。
そして、あれは半年ごととか、毎年祝うものじゃなくて、だんだんと祝う感覚を伸ばしていくものなのかなとも思ったりした。半年、一年、二年、三年、五年、十年、二十年と。