聞けば聞くほど「そういうものか」と思った。
私は「醤油は素材の味を生かさない」という立場にあるから、調味料の類は塩程度しか使わない質だ。
だがしかし、「醤油」も素材を生かした調味料なのだと力説されれば、それも一理はあろうと考えを改めた。
少し「醤油」に興味を持った。
だからどこかに美味い醤油を出してくれる店があるのかを聞いた。
彼は自慢げに幾種類もの醤油が試せる寿司屋がある、俺はそういう店を知っていると言うじゃないか。
新鮮な魚と出会う芳醇な大豆の香、そこにはシラス台地を彷彿とさせる自然のコクを感じるらしい。
聞けば聞くほど興味をくすぐられる。
カバンから取り出したメモ帳に「はま寿司」と書いて丸で囲った。
詳しい場所を聞けば「どこにでもある」という。