2017-02-18

息子に吃音症の兆候が出ている

数日前に、急に話せなくなったとのこと。

しゃべろうとしてもなかなか言葉が出てこないらしい。

例えば、

  • 私:「何食べたい?」
  • 子:「お、お、お、お、お、おすし

という感じだ。連声型の吃音ということになるのかな?

12歳になるまで、言語の発達に関しては特に気になることはなかったので、夫婦ともに少々パニックになった。発症後4分の3は時間解決するらしく、様子を見るしか無いのだが、要因が脳などの疾患だったら話が変わってくるので何はともあれ病院にて脳波MRAなどの検査を受けた。検査の結果では特に問題はなく、原因は分からないが、まずは一安心だった。

安心ではあるけども、これから短期・長期は分からないが、吃音と息子は付き合わなければならない。

親としては、まずは息子を取り巻く環境改善を考えるが、特に要因がわかっているわけでも無いので、「何かを否定する」わけにも行かない。早寝早起きとか、身体的/精神的な疲労をより取り除ける方向に生活習慣を改めるぐらいか。あとは、無自覚ストレスをかけるようなことをしていないか自分を慎重にふりかえりつつ、今後の言動に注意するとか。

そして大きな課題は息子自身人間関係だと思っている。担任先生学校には、現状を共有するとはいえ、それだけで不安要素が取り除けるわけでもない。息子に関わる人達に全て説明できるということでもないし。大人も含めてかもしれないが、子供同士ともなればますます、こちらが正解だと思っているような対応をみんながみんなとってくれるという期待はできない。

となるとやはり、息子はある程度、覚悟というと大げさだが、ある種の開き直りの心境でいたほうがいいだろうと、こんな話をした。

  • 私「大きな病気とかじゃなくてよかったけど、とりあえず原因ははっきりしてない」
  • 子「心因性とか?」
  • 私「そうかもしれないし、そうじゃないかもしれない。見てもらったのは脳が中心だし、実は声帯に傷とか腫れとかかもしれないし、喉や顔の筋肉かもしれない。心因性も含めてわからないということよ。」
  • 子「‥‥」
  • 私「ピッチャーが急にストライク入らなくなる時あるやろ、そういう状態ピッチャーストライク投げたいのに入らない。お前は話したいのに声が出ない。どっちも何が原因かわからない。」
  • 子「なるほど」
  • 私「実際ピッチャーは、足の先から指の先まで体中のありとあらゆる所を連動させて投げているわけや。で、話すという行為も実際には、思いつくだけで、脳から神経、声帯、喉、舌、唇、顔の筋肉とありとあらゆる所が連動しているから、どこかがバランス崩すだけで思ったようにいかなくなるわけや。で、お前は今、話すという行為にやや問題が出てる」
  • 子「うん」
  • 私「だから、イニングが変われば戻るのか、次の試合になれば戻るのか、投げ込みで戻るのか、むしろノースローが良いのかとか、探り探り対処していくことになるのよ」
  • 子「わかった」

腑に落ちたのか、納得している表情に見えた。

  • 私「で、だ。お前が後ろで守ってて、ピッチャーストライク入らなくなった時に、なんて思う。なんて声かける?」
  • 子「『うたせていいよー』とか『楽に楽に』とか」
  • 私「他にも、苦労しているピッチャーに、どんな声かかる?コーチとかどんな声かけてる?」
  • 子「『バッター集中』とか『難しいところ投げなくていいとか』」
  • 私「『ど真ん中投げときゃいい』とか?」
  • 子「うんうん、そんな感じ」
  • 私「ちょっと考えてみると、ピッチャーが思ったところに投げられない状態だったら、打たせようにも打たせられないし、ど真ん中にも投げられないわけだ。『そんなこと言われても』と思ってるかもしれないよな」

ここから子供は返事ぐらいだったので、テキスト上は独白

  • 「で、それに近いとこが、お前にもこれからあると思う」
  • 「周りの人にしてみたら、話すことなんて当たり前で、声をだすのに苦労するなんて想像もつかないわけよ。『普通に話せばいいよ』なんて言われると思う。普通に話すのが大変なのに。」
  • 「でも、それは、決してお前を追い詰めようとして言ってないの。お前のためと思って言ってるの。お前の苦労することを、お前のためにと思って言うんだから皮肉だけど。」
  • 「お前だって自分がこうなるまで知らなかったことなんだから、周りの人はお前の苦労は知らないのよ。知らないなりに親切で言ってるから、親切で言ってくれているということは受け入れるようにするようにしような。」
  • 「その上で言ってる内容については、知らないで言ってることだからと、あんまり真面目に受け取らないようにな。知らないことで不用意に言われた言葉に対して、お前がエネルギーを費やすことはないから」
  • 「そうじゃなくても『楽にして』とか『力まないで』とか、お前の精神状態次第ではマイナスに聞こえるだろう。『それで何とかなるなら苦労しない』とか思うときもあるだろう」
  • 「それも、周りの人たちは決してお前を追い詰めるつもりで言ってないことを理解して、いちいち真正から受けてしまわないようにな」

一通りのやり取り後は息子も納得した表情のように見えたし、かみさんも同じような表情をしているようには見えたそうだが、一度話したぐらいでなんとかなるほど甘いものではないだろう。

一過性解決してくれれば、それにこしたことは無いけれど、付き合いが長くなる可能性もふまえて、家族で考えていかないとなあ。

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    • 鋭ど過ぎる。ww  笑っちゃいけないし、酷い言い方する気もないんだけど、文章だけで有無を言わせない、喋れなくなるような不思議な圧迫感があるよね。 両肩を左右から ガシィッ...

  • “ 小児期発症流暢症をもつ人の生物学的第一度親族における吃音症の危険は, 一般人口の3倍以上である ” (DSM5より) うーむ。遺伝かな。 可哀想に。

  • 当方、10歳の頃から難発性吃音の症状が出て20年になるが、症状が全く出ない時期も出る時期もあって波がある。 ひどい時は10秒ぐらい何も言えない時があってドン引きされてるのもわか...

    • 前に役所に提出した書類について役所から確認の電話が掛かってきたんだけど、その人が多分吃音だった。 役所の人「えーっとえーっとえーっとえーっと◯◯が△△で」 私「はい」 役...

    • あーこれは当事者じゃないな。当事者なら足が遅い程度だとか表現しないから。

  • 増田にいるようなキチ〇イが子供なんて作るからそうなる

  • 私は吃音持ちです どうしても同じ境遇(私も物心ついてから発症しました)だと知り書かずにいられなくなってしまったので失礼します 吃音が出始めたときにそのアドバイスは、息子...

  • 俺も吃音を持ってるよ。 もう40代後半だけどね。 結婚も出来たし、仕事も出来てるし、友人も仲間もいる。 いい部分なんて他に幾つでも作れるんだから心配いらない。 良い人生を。

  • 過干渉。今後息子のために何度も家族会議を開いてアドバイスし続ける気なの?

  • 元エントリー書いた者です。 いろいろな意見や見解、経験談をありがとうございます。 客観的に見て、過干渉だろう意見を多く頂きました。 今後、その状況に対処していく上で必要...

  • ブクマが多いからと言っていいエントリとは限らない。読む価値のあるエントリには無言ブクマが並ぶ気がする。という増田をどこかで見かけた気がする。(ソースが見つからなくてごめ...

    • 内容の質はともかく、小難しいテーマについて書いてるのが「良エントリ」で、ばかばかしいテーマについて書いてるのが「クソエントリ」って感じだ。これ見ると。

    • そんなのエロ記事と英語学習記事ばっかじゃん、と思ったら増田の話だった。 とりあえず元増田にとって誘い受け系のエントリはクソだということだけはわかる。

    • ブコメにあるような「コメントしないやつ=ライト層、スパム、ブクマして勉強した気になってる奴」という見方って、コメント至上主義って感じがして全然納得いかない。 そもそもコ...

    • ×良エントリ ◯意識高い系が好きそうなエントリ

    • 文字数でも比較してみてほしい。たぶん下のクソエントリ群はペラッペラだから。

    • http://anond.hatelabo.jp/20170305115905 を増田以外のホットエントリで見ると。 2017年2月コメント率の低いホットエントリ コメント率 タイトル コメント数/ブクマ数 ブクマページ 0.0% ...

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