2016-11-01

イタリア大地震日本建築

イタリア大地震がおこり、多くの建物が倒壊、なくなった方も多いようだ。

海外地震があるたびにネットでよく見るのは、日本耐震技術はすごいという書き込みである

日本ならこれぐらいの震度なら大丈夫

海外耐震技術が遅れているから。

まるで日本および海外耐震技術を熟知したかのようである

一方で日本における建築という職業イメージはどうであろうか。

昨今テレビを付ければ豊洲市場のことばかりであるが、反対派の意見ざっとまとめれば、

莫大な税金を投入しておきながら、ゼネコンとか議員が大半を懐に入れてるんだろう、って程度のものだ。

違うという人もあるかもしれないが、私が見たところ99%は要はそういうことだ。

何が言いたいかというと、建築というと何か汚い業界というイメージをもってる人が大半でなかろうか。

手抜き工事偽装談合収賄

まぁ、いろいろあろうが、あまりいいイメージをもってる人はないだろう。

一方でよく知りもせず褒め、一方でよく知りもせず貶す。

この人達の頭のなかで建築業界は一体どうなっているのか甚だ疑問である

建築業界に身を置いている側からすれば、事実と違うことがまかり通っている。

からこそはっきり言おう。

震度7が来ても日本建物は潰れないと思っている人がいたら、その幻想は捨てなさい。

これは手抜き工事した建物がそうだとか、設計ミスした建物がそうだとかいうのではない。

日本建物設計からして震度7に耐えるようにはできていない。

建築基準法は潰れない建物を建てるための法律ではない。

大地震が来たときは、想定通りの壊れ方をするように決めた法律なのだ

すなわち建物は壊れてもいいから、最低限中の人の命は守る。これが大原である

阪神・淡路大震災経験した世代人間ならば、中間層がまるごとぺっちゃんこになった映像は見たことがあるはずだ。

あいう壊れ方がすれば、確実に中の人の人命は損なわれるだろう。

あれは柱が壊れているから上の層が支えられずああいう壊れ方をしたのである

からあいう壊れ方はしないよう、柱は健全であるよう設計している。

逆に言えば壁に穴が開こうが、梁にヒビが入ろうが、全然OKなのだ

これを理解してない人が多いし、説明するのも面倒くさい。

そして大体言っても理解しない人が多い。

から震度7で(全く)壊れないか?」と聞かれても

「(人命を損なうような壊れ方では)壊れません」と答えるのだ。

じゃあなんで建築基準法はそんな決め方をしたのか、大地震が来ても無損傷になるように設計すべきなのではと思う人もあるかもしれない。

理論上は可能かもしれない。

ただしそのような建物を建てるにはお金がいる。

果たしてどれだけの人がその頑強な建物お金を出すだろうか。

はっきり言えば、建築基準法貧乏人でも家が持つことができるように定めたものなのだ

まりにも安全性を追求すれば家は建てることができないが、弱すぎる建物を建てれば倒壊したときに周囲の建物にも被害を及ぼすだろうし、

商業施設などならそこに来ていた人の人命もそこなうことになる。

そのギリギリラインを探った結果が今の建築基準法必要とされる構造耐力なのだ

からあんまり日本建築を過信されても困るっていう話。

そして問題あったときばかり建築業界を担ぎ出すのをやめてください(本音

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