個人的に感心したのは、トリオン体という、ある種バーチャルな環境で戦闘が行われる設定だ。
これによって集団戦での捨て駒や相打ち作戦を実行可能としている。
ジャンプに限らずとも、バトルマンガではトーナメント物を覗くと基本味方の全勝(最低でも死亡者なし)で、最終決戦まで主要キャラがが死ぬことはない。
ONE PIECEのマリンフォード頂上決戦では、死んだメインキャラは2名のみだった。
ガチの戦争なのだから、双方の戦力が半壊ぐらいしていないと納得いかなかった。
実際に死ぬリスクがないので、敵わない相手でもなるべく粘って死ぬ(ベイルアウト)という「勝負に負けて戦いで勝つ」戦略を無理なく取れるというのがなかなか面白い。
しかし、トリオン能力の高いものは、自身の命と引き換えに黒トリガーを生み出し、それが局面をひっくり返すほどの威力を持つが故に敵は安易に攻め込んで来ないという設定も秀逸だと思った。
さて、話をタイトルに戻すと、味方の完全勝利ばかりが続くわけではないのでパワーインフレはかなり抑えられる。
むしろ連携で相手の隙を生み出し、浮いた所をキッチリ取るという勝ち方が多いため単純な比較もしにくい。
この、各々が自分の仕事をこなして全体の勝利を勝ち取るという所は社会人に刺さると思うのだがどうだろうか?
ワートリにおいて「気合や覚醒で勝つ」という事は今のところない。
『気持ちの強さで勝負が決まるって言っちまったら、じゃあ負けた方の気持ちはショボかったのかって話になるだろ』
『戦いってのは基本的に、数が 多いほうが有利だ。』
なんて事をキャラが平然と言ってのけるワートリは、ジャンプ連載作品でありながらジャンプあるあるのアンチテーゼとなっている。
少しでも興味を持っていただけたら手に取っていただきたいと思うのだが、ジャンプ+フェスの無料期間は21日に終わってしまってるんだよなぁ。