終末なにしてますか?忙しいですか?救ってもらっていいですか?を読んだ。読み始めたらどんどん頁が捲れてくから、ついつい一部完まで読んじゃった、
作品全体を覆う喪失感がいい味出してた。どの場面も落ち着いた破滅の気配が漂ってくる。みんなが一応普通な日常を送ってるのが物悲しい。
未来はないんだけど、悲嘆に暮れてないのが重苦しくなくて読みやすかった。落ち着いた筆致も好印象。雰囲気のある空気を顔しだしてた。
個人的に四巻の助走があったから五感でもっと大きく飛び跳ねるのかと思っていたんだけど、予想外に小さく堅実な飛び方をしたのが残念だった。
強大な敵と強大な力がぶつかってはいるんだけど、作品の根底にある喪失と恋の物語に引きずられてるせいか、こじんまりとしてた気がして。
剥き出しの感情がくどくどしくぶつかるわけでもないから、さらりとしていて、そこがこの作品の空気感なんだけど、もう一押し欲しかったなあッて思った。
あんまり派手な戦闘描写を必要としなかったせいなんだろうし、あの文章だからこそ伝わるものもあるんだろうけど。
続編があるからか、その後の動向を書いていないキャラクターが多くて続きが気になる作品。
みんなが笑えるハッピーエンドが迎えられたら良いなって思いました。