イベントやパーティに行った時、何に興味を示すかは人それぞれだろう。
「どんな人が来ているかな」「どんな食べ物が出るかな」などなど。
自分の場合、そういう場所だと、演出のライトにフォーカスしてしまう。
ライトの点滅を眺めながら、それがどんなパターンで動いているか見極めようとし、分かったら「ああ、なるほど」と勝手に喜んだり。
つまり、世の中のあらゆる物事について、ルールや法則性と言われるようなパターンを見出す形で理解しようとするのだ。
世界をパターン化というアプローチによって抽象的に捉えようとすると言い換えれば聞こえはいいが、自分で作った思い込みに囚われやすい性格とも言える。
そんな自分にとって、プログラミングなんて簡単な仕事の部類に入る。
コンピュータは人間と違って全く融通が効かないし、指示命令書であるプログラムはコンピュータが行間を読まないことを前提に書かないと動かないし、何よりコンピュータの側が操作する人間の気持ちを汲んでくれることは絶対にない。
こう書くと極めて面倒なシロモノに思うかもしれないが、実はコンピュータに通じる共通パターンみたいなものがあって、それさえ分かってしまえば、あとはポイントを押さえ大いに効率よくやることが可能なのだ。
とはいえ流石に家に帰ってまでプログラムを組みたいほどではないが、それでも仕事にしたのは人生の選択として自分をほめてやりたい。
もちろんシステム開発に占めるプログラミングの割合は低い方なのだが、客が本当に欲しいものと、実装が楽になる方法の両方を常に勘案するという手法で仕事を進めているので、今のところ大事故はやらかしていない。
また、「マニュアルを読んでその通りにする」のもこれまた得意。
そこに来てプログラミングの土台となるミドルウェアは「とりあえずこうすれば動くよ、そんな難しくないからやってみ?」みたいなスタートアップのための情報が必ずあるので、これまた「動かなくてギブアップ」という経験は皆無。
一方で、同じITであっても、アプライアンスやストレージの管理がメインとなる、運用の仕事は全く苦手だったり。
メーカー・機種ごとに色々違っていて標準的な手法があまりないところに、それぞれ細かいところまで見ていかないといけないこともあって、自分お得意のパターン化があまり通用しないので、その時点で攻略する情熱や興味をを失ってしまうというか。
人間はパターン化がほとんど通用しない相手の最たるもので、そんなパターン化とか考える暇があるなら、もっと目の前にいる相手のことをきちんと観察しろよって話である。
しかし脳がパターン思考に最適化してしまったせいか、相手ありきの現物合わせが全くできないのだ。
「どういう言い方や持って行き方だと、最もスムーズに意思を伝えられるか」は「相手が何を思ってその言動になっているか」という想像力の問題になるが、その想像力が自分には少しも備わっていない。
なのでマニュアルなんて読んでも時間の無駄だし、多分そういう分野はマニュアルというよりレッスンor稽古or練習がモノを言う世界なので、マニュアルそのものがナンセンスという可能性が高い。
じゃあ練習すればって?誰を練習相手に?という取っ掛かりで詰んでいたり。
そもそも「パターン化できない」時点で「うわめんどくせー」と感じてしまう時点で、これ以上のコミュ力の成長は望めないだろう。
でも、もしこういうことが上手くできたら人生更に楽しいだろうなーとも思うので、なんとも悔しい。
お陰で、自分はこのままだとリーダーや営業職をこなせる可能性はゼロだし、多分それは機会損失でもある。まあ無理にやって周囲に迷惑かけるよりはマシだけど。
これは余談だが、それもあってか、フィクションの世界で目にする「人好き系リーダー」は、自分が最も好みのキャラだったりする。無い物ねだりの変形だろう。