夕方、散髪を予定していたが、15分ほど時間が余っていたので、近くのブックオフに寄った。
目に止まった何冊か手に取りレジに向かうと、その途中でサイバーエージェントの藤田晋さん著「渋谷で働く社長の告白」を見つけた。
懐かしい!何年も前に読んだなぁ。
あの頃、何か感銘を受けた気がするけど、なんだったっけ。
すみません、これも。
追加で購入。
108円だった。
家に帰ってきて早速読みはじめた。
あれ、こんなに読みやすかったっけ。
あー、そうそうこんな話だったな。
そうだ、読んだのは2005年の春頃だった。
ちょうど10年前だ!
読みながら色々なことを思い出してきた。
当時、19歳、高専の5年生だった。
ちょうど大学に3年次編入するか、就職するか、考えていた頃だったな。
特に夢もなく、バイトをしてはパチスロに明け暮れていた、留年をかろうじて免れるレベルのクソガキだったけど、漠然と根拠のない自信だけは持っていた。
たまたま学校で起業家の話を聞く機会があり、起業について興味を持ったことがきっかけで買った本だった。
この本を読みながら、「将来は起業でもして成功するかな」という漠然とした妄想が血肉を付けていく感覚を味わったのを覚えている。
それまで自分で活字の本を買うことなんてほとんどなかったが、妙に面白かった。
読み終わった後には、俺も将来絶対に起業して成功するぞ!サイバーエージェントは、藤田晋は、絶対に抜いてやる!と思っていた。
それから同じたぐいの本を何冊か読んで、国立大学の経営が学べる学部への進学を目指すことを決めた。
その後、大学に進学した後も、外資系コンサルティングファームに就職した後も、ずっと起業したいという思いは変わらなかった。
あれから10年後の今日、改めて読み始めたら、やっぱり面白くて一気に読みきってしまった。
ヒューマンドラマを描いた本だったんだね。記憶の中ではもっと経営のエッセンスが詰まっているような印象だったな。
地方に住む学生だった10年前に読んだ時よりも、東京で就職し、起業までした今の方が本の内容がずっとリアルに感じる。
読み終わってみて、10年前に自分が思い描いていた将来像と、今の自分を比べて、相当に反省した。
設立した会社は、何とか食っていけるくらいの売上が立つようになった。
無意識的に、とりあえずこんなもんだろ、と思い始めていたのかもしれない。
おいおい、こんな吹けば飛ぶような会社作って何の意味があるんだ!?
10年前の自分にそう言われているようで、無性に恥ずかしくなった。
反省せざるを得ない。
本当にすみませんでした!
俺はその本を読んで起業して成り上がるには人間のクズとなって色んな人を裏切り非道を尽くさねばならないのだなと学んだ。「自分の会社」というくだらんものを大きくするのに何故...