○近藤(三)委員 中小企業は一件当たり八人弱ということなんですけれども。
昨年度の二百九十七億円の補助金の投入実績による効果をよくフォローしていただきたいと思います。血税ですから、予備費を直接企業に補助するわけですから、国民が納得できるように、公募、審査、そして採択をしていただきたいと思います。また、本当に新たな地域雇用が計画どおり生み出されているのかどうか、しっかりとウオッチングもしていただきたいと思います。
さて、閉会中の七月の末、日本のヤフーと米国のグーグルの提携が発表されました。両社の提携の内容は、日本のヤフーがグーグルのインターネット検索技術、広告配信システムを利用するとのことです。
この提携によりまして、日本でのグーグルの検索シェアは九割を超えることになります。つまり、日本でインターネットの検索を利用しようとすると、今、両社合わせてシェアは九割以上ですから、我々はグーグルの技術を利用して検索結果や広告内容を得るということになるわけです。
公正取引委員会は、両社の提携の前にヤフーから取引に問題がないか事前に相談を受けたが、問題がないとの見解を示したと報じられています。しかし、今回、ヤフー側は、公正取引委員会の事前相談制度をもって正当性を主張しているようです。
この事前相談制度なんですけれども、法律上の手続ではありませんので、その内容に透明性を欠き、利害関係者や第三者に対してさまざまな疑念を生じさせているという側面もあるのではないかと思われます。
今回の提携は、日本のインターネットによる検索システム、広告配信システムの九割以上がグーグルのシステムに依存することになります。広告費の一方的な値上げなど、実質的なグーグルの独占の弊害が出るのではないかという懸念も各方面から指摘されています。今回の提携を公正取引委員会はなぜ容認したのか、その理由をお聞かせください。
御指摘のとおり、ヤフージャパンから、グーグルの検索エンジンを使うこと並びにグーグルの検索連動広告の配信システムを使うことについて独禁法上問題はありませんかという事前相談を受けまして、それに対して、説明のとおりであれば直ちに独禁法上の問題はないでしょうという返事をしております。
その後、マスコミを含めいろいろなところからいろいろな御意見を承っておりますが、二点申し上げたい。
一点は、二〇〇八年にアメリカのヤフーとグーグルが提携をしようとしたことがありまして、これについて競争上の懸念があるということでアメリカの反トラスト局から指摘を受けて、この話はなくなりました。その後、アメリカのヤフーはマイクロソフトと提携することになりました。
それと同じことを日本で何で認めるんだというような御指摘もあるんですが、一つ全く違う点がある。アメリカのヤフーは自分で検索エンジンを持っていました、それで検索連動型広告のサービスもやっていた。まさにアメリカにおいては、グーグルとヤフーというのは同じような、同業のライバルであったわけです。そのヤフーが検索エンジンの開発をやめちゃった、マイクロソフトを使うことにしちゃった。そうすると、日本のヤフーというのは検索エンジンを持っていない、アメリカのヤフーの検索エンジンを使っていた、そのもとのアメリカのヤフーがやめちゃった、さて、自分はどの検索エンジンを使うかという立場にヤフージャパンは置かれたわけでございます。
それで、いろいろ検討した結果、日本語の検索という観点からいえば、マイクロソフトよりもグーグルの検索エンジンを使った方がいいという判断をヤフージャパンはしたわけです。その判断自体について独禁当局として何か口を差し挟むような話ではありません。それはあくまでも企業が、どういうものが自分たちにとって一番有利であるか便利であるか、カスタマーのために何が便利かという見地から決めたわけですから、したがって、アメリカのケースとは違うということをぜひ御理解いただきたい。
検索エンジンは確かに使います、グーグルのものを借りて使いますが、それを使ったサービスは、ヤフージャパンは、グーグルとは別に自分で調整するなり、カスタマイズと言っていますが、そういうことをやることによってユーザーに従来どおり独自のサービスを提供します、こういうことを言っているわけです。あわせて、我々は、それであれば直ちに競争がなくなるわけじゃないから問題はないでしょうということを申し上げているわけでございます。
仮にこれから、そういったことではなくて、グーグルとヤフージャパンが例えば広告料について何か協調行動をしているとか、そういうことで独占的な行為に及ぶというようなことになりました場合には、これは言ってきた話と違いますから、当然独禁法上の問題になる。だから、これからは日本において、検索連動型広告というものの市場においてどういうことが起きていくかということを公正取引委員会としても十分にウオッチしていきたい、こういうふうに思っております。
http://kokkai.ndl.go.jp/SENTAKU/syugiin/175/0098/17509080098002c.html