2014-02-05

女の子を傷つけたくない


夏の終わりのある日、僕は、職場で親しくなった女の子デートに誘った。

僕にはそれまで恋愛経験がまったくなかった。

デート経験などももちろんなかった僕は、ネットで調べ、

喫茶店のあと、映画を見る、というなんのヒネリもないプランを提案した。

でも彼女は屈託のない笑顔で、それでいいよ。と答えてくれた。

当日。待ち合わせ場所で僕は緊張して待っていた。

彼女を見つけた時、初めて見る彼女私服に、一瞬ボーッとしてしまったが、今日はちゃんと彼女エスコートしなければ!と思い直し、気を引き締めた。

気のせいかもしれないが、彼女も若干緊張しているように見えた。

でも、喫茶店での会話は思いのほか弾んだ。

僕たちは色んな話をした。お互いの友達のこと、仕事のこと、好きな食べ物のこと、行きたい旅行先…

会話は途切れることなく、時間はあっという間に過ぎて、喫茶店を出た時にはあたりはすっかり暗くなっていた。

外に出ると、少し肌寒く感じた。

彼女自分の肩を抱かえるようにした。

寒い?」と聞くと、

「うん、ちょっと肌寒いね。」と答えた。

舞い上がっていた僕は、そこで致命的な一言を言ってしまう。

「もし僕がここで、何も言わず自分の上着を脱いで、着せてあげたら、男としてかっこいいんだろうねw」

(僕はその日、上はポロシャツ一枚だった)

彼女は、青ざめた。「ヒッ」と小さく悲鳴を上げた。

「え?ゴメン?なにか悪いこと言った?」と聞くと、

「怖い…冗談でもそんなこと言わないで」と返した。

その後の映画は散々で、帰り道で交わす会話は先程までの空気とはうってかわって、ぎこちないものとなった。

別れ際に彼女は、「今日は楽しかった。今度また誘ってね」といってくれた。

でもその”今度”が来ることはなかった。

後日その日のことについて、改めて謝り、デートに誘ってみたが、いろいろ理由をつけて断られた。

僕は彼女を傷つけてしまったようだった。

誓って言う。

僕は彼女と親しくなりたかっただけだ。彼女を傷つけるつもりなんてなかった。

でもダメだった。

恋愛初心者には仕方ない、あるあるw 」と男友達が慰めてくれたが、彼女にとってはそんなのは関係ない、ことはわかっている。

ぜんぶ僕が悪いのだ。

最近彼女結婚した。

彼女結婚式で僕は、

「この度はおめでとう。あと、あのときはゴメン」とふたたび謝った。

なるべく重くならないようにしたつもりだったが、彼女はキョトン、として、

ありがとう? 君も早く結婚できるといいね」と言った。

この事について、べつの女友達相談したことがある。

「そんな細かいコト、女はいちいち覚えてないよw」そう言っていた。


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この経験トラウマになっていたので、

例の増田のはなしは、僕の心に響くものがあります

トラバ書いてたある増田が、「男も好きで性欲があるわけじゃない」と言っています

女の人に怖がる気持ちがあるのはわかるし、実際に傷つける事があるのもわかります

偽善的になってしまうかもしれないけれど、

一言だけ言わせてください。

僕らも、あなたたちを傷つけるつもりはないんです。

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